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悪役志願 (完結篇)

ホリとツルんで、センパイを海に放り出し寸前にした 1件から、イジメにメゲずに居残った わたいら「同期」のメンツ、

周囲も次第に『アイツら マジで怒らせたらチョっとヤバいゼ・・・』って風向きへと変わりました ええ。
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基礎的な環境さえ改善されるなら、好きで入ったこの仕事、相変わらずカラダはキツいが、ココロはずいぶん軽くなった。


ホリは・・・そのいかつい風貌とは真逆で、ぶっちゃけ 女性への免疫が不足してたって そう思えます。

あのオンナ・・・源氏名を「マロン」という、早い話が『お水のオンナ』。
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おそらくはホリのことだ、港界隈の先輩に連れられ 行った先のキャバクラ そこでマロンに 引っかかったのだろうと。


お水のプロという視点でなら、マロンは優秀だったと思うのです。性格はサバサバ系、ギャグ線も高い、毒舌と自称して悪口や文句、陰口を笑いの会話として昇華させるテクがある。

でも、ナマイキ云わせて貰いますなら・・・マロンはただただ、周囲に対し無礼な態度を取っているだけなのに開き直っているタイプなのだと思った。。

敬語を使わないでタメグチになるぐらいならまだイイですが、言葉遣いが乱暴で汚いヤロー言葉だと コッチも聞いていてストレスが溜まってきます。

上から目線の言葉になり今恐縮ですが、このマロンってのは『育ちが悪すぎる』っと思った。

大体、育った環境や性格、体型は声や喋り方に出るもので、 マロンのように、会話している時に刺々しい印象を受ける女性は、ほぼ間違いなく性格が悪いと見て間違いないってのが、女性との交際でサンザン手痛い目に遭った わたいとしての「持論」で。

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若くして 店のTOPの売上げを連続させる そのマロンにホリのヤツはナンでか?スッカリ「入れ込んでしまい」・・・

まあ マロンにしてみりゃ『チョ~御し易い ラクな《カモ》』その1人でしかなかったンだろうって思う。

ってかネ・・・《それならそれでも イイのだ》うんうん。夜の街場の 陳腐な言葉でいうならば《LOVEゲーム》

騙しては また騙され、ギャンブルなんかと同じよなトーンで《割切れる》ホリが「それ」であるなら良かった。。。

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いったい何本の ドンペリの栓開けたのだろ~ね? マロンマロン♪ って、ノボセてやがります ホリのツラったら みっともなくてしゃあなかったってのも事実で。

わたくし港のリク、他人の恋路にクチ出しする程ヤボではござんせん。でも、チトばかりシンパイだったのは・・・

それは《人間としての 弱さ》それです。2年の修養期間が終わり、一本立ちした 荒くれとなった 我ら同期。

元からの才能に加え 素養、老舗チームの《耀》からスカウトされたホリは、スグ、班長 小頭それらを飛び級で越えて、事実上の《組のサブリーダー》へと破格の出世を果たした。

妬ましさは…無かったとは云えないかも・・・でも、それよりも わたいが個人的に密かにシンパイしていたのは、

ハマの港に伝わる 皮肉な「法則」・・・『早過ぎる出世果たした人間ほど その後の業務でしくじりやすい』って 言い伝え。

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事実上のサブリーダーに上った ホリの立場には、ある一定程度の『決裁権』を付与され、テメエの才覚でもっての商取引が可能となります はい。

要するに、ウン億円だってナ 膨大な金額には程遠いですが、業務上で 殆どの場合 百万円単位のキャッシュを右から左に移せる。


・・・コレが【危ない】・・・サイショに ホリさんホリさん♪ っと慕ってくる後輩筋へのオゴリから それははじまる。。。

テメエの身銭でカタがつくのなら それでもイイ、だが・・・キャバ通って、(おそらくニセモノの:笑)ドンペリ入れるってなったならば・・・

実直に間違いないホリだとしても・・・けっして手を付けるべきではないカネをって・・・なによりそれが心配で。

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        失うに惜しい 人材がハマから去り・・・

ハマの港の 長い歴史の中でも、こういった、将来を嘱望された有望な人間らが、結果…潰れていったのです はい。


1度ダケですが、マロンが勤める店に 客として行きました。

いや~ 詳しく再現したくないぐらい、クソミソに貶されました。女性化したオトコってのに嫌悪感を抱くタイプだったようでマロンは。
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それに、キレる水商売のオンナゆえの勘も働いたのだろうと思う。それなりにスケベそうだけども、マロンとして、テメエの色香でコロっと転がせる相手ではナイって、たぶんに直感として感じたのだろうと。

ってか、ナニよりも増して・・・わたいは【ケチンボ】だから(笑)(笑)

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それでも・・・30分もすぐ至近距離で、サンザンっぱら ココロに棘刺すセリフ吐かれ続けて さすがにわたいも 気分が凹んでまって・・・

負け惜しみトークとして云いますに、これ以上のマロンから吐き出されるトラッシュ・トークを聴き続けると、なんだか わたい自身の魂の格が堕ちるような気がして。。

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        くっそ~~あの くされキャバスケがよぉ…って

夜遅く 家へと戻り、家人はもう寝ているようなので 静かに風呂へ入り、その後 ダイニングのテーブルにしばらく座ってました。


「なんヤ まだ起きてんの リク坊?」アクビしながら お母ンが。

「お母ン ゴメンな・・・。こんな、息子とは名ばかり…オカマかニューハーフみてえにしか観えよらん ンなワシで・・・」


「アンタ・・・真夜中にナニ云うてんねん??・・・」

「高校で ラグビーやってた息子が、まさか…こないなカラダに変身するなんて、お母ンかて さぞやつらかったやろナ。ゴメンな・・・」

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母は冷蔵庫からエビアンの小ボトルを出し、テーブルの椅子に腰かけ グイっと半分ぐらい飲み干して。


・・・あのナ リク坊? オトコらしいオンナらしいとかって、それ『見た目の問題』そうやろ?

ヒトは見た目が 七割九割っていうけど 果たして《そうやろか??》。

アタシはナ、リク坊アンタが、どんなカラダつきになりよろうが、《こんなの息子やない!》なんて思った事 1度だってあらへんエ?

ホンマやヨ? 仮にわたいがメクラになったと思いイ?リク坊アンタのチチが出てよーが、出てなかろうが、ンな事は ど~でもエエことやん??


リク「って・・・ワシかてナ・・テメエに自己催眠かけて、上を向いて前を向いて歩いてきた。でも…わたいが日々暮らすこの《社会は》思うよりも 小さい。決まった職場環境、ンでもって一定の生活スタイル。そこの中でカオ合わす人間も一定といえますやん?」

お母ン「なんやねん それが?」

リク「ジツは数時間前ナ、お水のネーチャンに、コレ以上ない!ってぐらい、この女性化をけちょんけちょんに貶された。いや、そんなんにメゲるわたいとチャウのはアンタかてわかりますやロ?ネーチャンの毒舌に屈したのとじゃなくってナ、ぶっちゃけ・・・《こういうのがワシみてぇな身体つきした人間を目にした際の 本音なのか》って・・」

お母ン「しっつれ~なオナゴやんかぁ!なんかクリソツに産んだわたいまでがブスや云われた気分やわぁ」


リク「みんなは・・・思ってても、わたいに気イ遣って 言わへんだけなんヤってナ。何日も泣いてるって、ンなヤワとチャウ。明日の朝になればケロリっと忘れるよって、今夜ダケは 沈んだ気持ちでもエエやろ?」


 母は云いました・・・

・・・リク坊 聞きイ、本当に《不憫》なのはネ、女性化陥ったアンタではなくてネ・・お客であるアンタに、毒舌のみしか吐けないって、《その子こそがイチバンに不幸》それなんやワ。

おそらくはその子、今までに 誉められることなく、叱られ続け、貶され続けて成長したのヤって思う。可哀想に・・・。

その子、そうやって 絶えず他人へ毒撒き散らしながら、ココロの中ではワルクチ言う自分自身にもっともっと傷ついて 内心で悲鳴上げて居る筈。

だから・・・リク坊 カノジョのこと 許してあげなさい な??許すことでアンタ自身も《救われる》・・・


リク坊 久しぶりに 踊らへんか? 真夜中やけどエエやん♪ 流行のステップ教えてぇナ♪

・・・悩んでいたかて構わないわって。哀しければ泣けばよろし。でもナ・・・覚えとき? 世の中を生きる上でいっちゃん強いのは・・・
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           荒くれの母 此処に在りですかな

他でもあらへん、ツラいモン全部 【 笑い飛ばすってことヤ 】それが最強! はいっワンツー ワンツー♪

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ホリに『マロンはヤバいオンナだゾ』って、説諭するには「及ばなかった」。。。

マロンは、「ドロン」しやがりました。けっこうな額の水商売での「売掛金」に耐えきれなくなってどうやらトンズラしたって 専らの噂でした はい。
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         逃げれば すべて消えるって短絡的なオナゴ…

仕事終わりに常連のように通ってた 中華街脇のホストクラブでの豪遊のツケがかさんだせいも有り《飛んだ》のだとも聞きます。


ケッコーにホリはマロンに 売上げで貢がされたらしいけども、1つの「人生勉強」で終わったと思った。

ある程度額の キャッシュを動かせる立場のホリが、業務上の横領行為に及ばなかったこと なによりも安堵した・・・「そのトキは」・・
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      奇しくもホリの「弱点」が。。。



わたいはある日 休日の午後、元町で買い物が有って、根岸線で 磯子まで行こうと、JR石川町のホームに居りました。
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       元町「喜久屋」の昭和風レトロケーキが好き♪

下り電車を待っていますなら、トイメンの上り電車のホームの端に、『あ?? ホリじゃん・・』

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そして…ホリの巨躯に最初は隠れて見えなかったけれども、『ん??・・・アレって《マロン》やんか!!』


ホリは・・着ていたブルゾンのポケットから、四角く小さいなんかを出し マロンへと手渡し・・・


 ・・・おい ザケんなヨ! アレって、BANKのCardじゃねえかって!!
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             ナニ考えてやがる ホリっっ!!

こら!クソおんなっ!!テメエどこまで性悪だ ああ?これまでサンザンとホリ貢がせといてヨ、下手コイての身勝手な 夜逃げしやがって、まだ!!あのホリにタカろうってのか!?

ホリもホリだっ!おひとよしにも限度があろ~に??そ~ゆ~のは無駄な情けだ!けっして気高き善行なんかではないゾ!!


・・・ナニよりも、あのマロンってゲスおんなに、オレら 荒くれって職業の者が、この期に及んでなお、チョイと情に訴える《芝居で》 すがるならば、イチコロに騙し タカれるチョロイ連中だって思われているだろうってのが 無性に腹が 煮えくり返って・・・。
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        わたい自身がなじられたより、100倍ムカつくデ!

わたいのスグ隣に、缶コーヒーを飲んでいる マジメそうな男子高校生が居て、『にいちゃん、その・・缶コーヒーの《缶》売ってくれへんか!?』

驚いて 少し恐怖の表情で男子学生は「どうぞ・・・」と気圧されて。 奪い取るように巻を握りしめた わたいは・・・


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『 ホリぃぃぃ~~っっ!! 阿呆かオメエぇぇ~~っっ!! 』怒りと憐憫が交錯した感情で、ホリが立つ 向かいのホームへと全力で「投げて」・・・

【 ガコン!! 】・・響き渡るスチール缶の放つ音に、ホリもマロンも ビクっ! として 次にコッチを凝視し・・・

なんだか わたいは 無性に ムなしくて クヤしかった・・・。

キャバ時代の戦闘服…煌びやかだけども、品の無い あのドレス姿では無く、化粧っ気も薄いのっぺらな素顔、ケバだったよな 白色もくすみヨレた上下のスウェット姿で。

察しの良いオンナだけに、ホームも向こう側からの リクめの発する 怒りの波形を感じ取ったのだろう。

驚愕と恐怖の表情を浮かべたマロンは、Cardを離さぬまま ホームを走り 逃げ去った。

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ホリは、ホームの向こうから、リクめの方を 呆然と観て・・・いえ、確かに コッチを向いていますが、その目線は…マトモに わたいと目線を合わせられない感じで、

あきらかに 避けるように やや下を向いていた。案外・・・自分が 今さっき、マロンへ 施した行為のバカバカしさをテメエでも判っているんだって風に。。。

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約3秒後に ホームに滑り込む 上りの電車。発車メロディーを残し 走り去ったあとのホームには もうホリの姿は無く。。。


『あ…あの? 大丈夫ですか??・・・』学生のにいちゃんが わたいに心配そうに、 声をかけてきました。

・・・この にいちゃんには、きっと、三角関係で、浮気現場を目撃したオンナ(わたい)が、思わずキレて、反対ホームの カレシと連れのオンナにコーヒーの缶を投げつけたのだろうって 思っただろうナ・・・。

そうさ・・・ナンとも《滑稽だ》ああ。。。学生のにいちゃんヨ、ひとつ…覚えとき、《ヒトは見た目が9割》・・・♀としか見えないって ンな生き物がヨ、
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         独りよがりの善意なんて、すべて空回りなんだ…

どんだけか《同期の者への友情の念》そんなモノでもってアクション起こしても…結局、 ンなモンは、寂しく意味も無い・・・滑稽な 独り芝居としか周囲には映らないって、《この世の真実》をナ。。。


その翌日以降・・・わたいですが、ホリをつかまえ、昨日の ていたらくを問い詰めるって真似は《いっさいしなかった》 はい。


正直・・・《その気も失せた》・・・。チョイと考えますならば…昨日のホリが、マロンに対する あの行為を・・このわたいがアレコレと論評、そして糾弾するなどといった【資格が無い】。。。

お互い 二十歳はとっくに過ぎてる社会人なんだ、ホリがした行動は ホリに委ねられているのに変わりも無いじゃないか・・・

でも、そうなったと【同時に】・・・リクめと、ホリの間には 越えられない、見えない【 壁が出来た 】。。。

港界隈の現場で カオ合わせるならば、通常となんら変わらず 挨拶はする。・・・【 お互い目線を合わさぬまま 】・・・。

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しばらく経ってから、新聞の三面記事に、あのマロンが、暴力団員のオトコと組んで、美人局(つつもたせ)による、会社役員への恐喝で逮捕されたのを知った。

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 こうして、ボクとホリとの 同期の友情の絆は 周囲の者には一切気付かれず、長い氷河期を迎えたのでした はい。。。

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ホリの いよいよもっての 親方職の実現が、ボクらの 凍り付いた関係復帰になるのでは?って淡い期待がありました。

でも、このわたいの ンな目論見は、少なからず【甘かった】。。。

港の界隈には、リスペクトを抱ける人間ばかりでは無く、ぶっちゃけ アホとしか呼びようも無い、ジツにくだらん想いを抱く そういう者も確かに居て・・・

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ほぼ 全体業務も終了した とある土曜日の午後・・・ヤード付近に積み上げられた コンテナの迷路の その陰で

短絡的でかつ粗暴だって評価しか聞かない若手の3人組。それぞれ所属のチームは有るものの、ぶっちゃけバカな上に輪をかけて、協調性のカケラもありませんかれらは

チームからは浮き上がり、結果として その日ごとに、他のチーム仕事の欠員や穴を埋めるって、補充要員仕事を漁る 根無し草の存在。
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            「まさかっ!!」って光景がそこには…

なさけない連中でしかないが、気性はあくまで荒く、気位がミョ~に高い、ンなやつらが集団で【 ホリをシメあげていた 】。。。


やつらの抱く 唾棄すべき目論見はとうに判っている・・・。「下剋上クーデター」のツモリなのだ けっっ!!

要は 「辻斬り」だ。やつらにすれば『ホラ 親方へ上がるホリなんかより、オレの方が腕っぷしは より上ですゼ♪』って示威行動。

昭和二十年代 戦後の混乱期じゃあるまいに・・・今時 ンな実力行動で 出世やリスペクトを勝ち獲れるって本気で思ってるのか?このクソ野郎どもは・・・。

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 『おい ヤメんか!3対1は アンフェアやろが。それは決闘ですらあらへん、テメエっちらのそれは《卑劣なるテロリズム》それヤ』

函館港からハマの港へ流れて来たっていう、《銀太郎》ってガタイのすぐれたオトコが わたいの声に反応し、なめくさった目つきで・・・

「これはこれは 港のリク親方♪ ワルいんですが そのお声恭順出来ませんね。つっかかってきたのはホリ…この《びれんの大将》ッス ええ。オレら荒くれはナメられちゃお終いッショ?いうなればコレはオレらのプライドと権利保全」


「ジンバブエ$ほどの価値も無い屁理屈云うなヤ。《ヤメえ!》っと、ワシが云うてんのヤ、1gでもノーミソあんなら素直に云う事聞けヤ?」

銀太郎は強がってンだか、本気でわたいなんか屁でもないって思ってるのか

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「へっっ 港のリク親方の手腕についちゃ知ってますヨ ええ。でも、老婆心ですがそろそろ・・・その美貌に傷がつかない、社の執行部重役に専念した方がよろしくはネエんじゃないスか(嗤)ぶっちゃけ アンタいつまで最盛期だって思ってるのヨ ああ??」


「ひとつ教えたらぁ、ワシらの業界やけどナ、自衛隊組織と似ている部分が有って、それはナ、上に位置するワシらが 下のオメエっちらの行為に《許せん》っと判断した場合・・自衛隊と同様、【 《指導》も《教育》も 】それの判断が委ねられる…それが《親方権限》ヤってこ.とだ ああ」

「ふ~ん・・それじゃ・・この びれんの大将の 助太刀として オレらとヤリ合いますってか??一切・・・手加減なんかしねぇッスよ??」

わたいは 答える替わりに ファイティングポーズを。・・・負ける気はない、ってか《テメエごときにダレが負けるかヨ!》銀太郎、いくらテメエっちが腕に覚えがあろぉとナ・・・

あの・・・元レインジャー部隊小隊長だった《小枝センパイ》ぶっちゃけ あのヒトを上回るスキル持ってル ンな霊長類は このハマには居ねえワ!!


3人組の中で いちばん気弱そうに見えるヤツが 銀太郎の耳元に『お…おい 銀の次、リク親方って・・・ハマの港でも 1に火だるま親方 2にリョウさん。3がコアラ親方 で4がハマのシンタロさん。リク親方は、その次ぐらいのバトルスキルだって専らの噂だってヨ・・」 銀太郎「え? マジ??」

そうだ、たかだか この狭いハマの界隈で たった五番手の強さしかないワシやがナ♪銀太郎 オメエっちがビビる価値もなかろうが 来いヤ♪


 歳なんやろかナ?? 仕留め終えるのに【 5秒も 】かかってしまった。そろそろ おとなしく落ち着きましょ~(笑)
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『・・・相変わらず・・・イザって場合になると、バケモノみてぇに強えぇな リク親方さんヨ』

左肩を脱臼し、ぎゃあぎゃあ!ワメき痛がっている銀太郎を両脇で抱え 3人組が遠ざかっていく それを見送りながら 忌々しげに鼻血を拭いながらホリがポツリと云いました。
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わたいは「けっっ それホメたツモリなんかい・あんなのはナ、ケンカにも入らんて。タマで出よる この界隈の失敗作品を《殺処分》したダケだワ ああ」

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『つくづく思いましたヨ、《オレなんかとは格が違う》ってネ。見てくれの問題じゃない…アンタは本当に《怖い》・・・魔物めいた魅力も。ぶっちゃけ このオレにはアナタのようなカリスマが 無い・・・』

リク「その…ハンパな敬語はヤメえヤ!もうココには誰も居てへん。タメ語で話せ 余計寂しくなる・・・」

ホリ「でも、観たでしょ今?オレなんぞ この程度の実力なんスよ。3人がかりじゃ手も足も出ないって程度の・・・。入ったばかりの新人からは やたら恐れられてるけど、実体ってなら、しがなき鬼軍曹・・・リクさんみたいに将校には成れない、下士官止まりがオレの器なのかも・・」


リク「ホリよ、ワシら どうなろうとも《同期ヤ》ワシらの中でなら いくらでもボヤいて構わんし泣き言云えヤ。だが・・・それ以外の場所で ンな弱みの姿サラすなヨ?今 オメエに贈れるアドバイスは それダケだ ああ」


 ・・・そうさ。。ホリ、オメエはスグに 《耀》の次代 親方となって、若い衆らをまとめ上げる 今以上の 辣腕を振るっていくのだからヨ。。。
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        しっかりしろっ!もう既に、導火線は点いているのだ!

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長患いになると思ってた 《耀》の親方 えべっさんが、唐突に 息を引き取ってしまいました はい。。。

そのご葬儀の日時は 狙ったのではなく偶然、ホリの奴が 次の親方として正式辞令交付となる「前日」で。

『結局、えべっさんは、親方の肩書のまま あの世に旅立ったナ』『コレでもう《耀》はホリの天下 やりたい放題だ』『半病人の親方支えた甲斐があったわナ♪』なんて声も聞こえて来た。。。


 えべっさんの告別式の当日

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相変わらず、律儀で生真面目なホリは、キュークツそうに喪服スーツを着込み、遺族をはじめ、葬儀の出席者らに コマネズミの如く 気を遣っておりました。


で お坊さんの読経中、1歳に満たない えべっさん親方の初孫の女のコが式の終わりころまでズっと泣きじゃくって・・・
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テメエの責任でもあるまいに、ホリは・・・読経を済ました坊さんに そのデカい身体を折り曲げるようにし、

「どうも…申し訳ございません・・子供の泣き声で 有難いお経に水を指してしまいまして」と 正直、観てて《オメエがそこまでペコペコすんなヨ!重み薄れるやんか…》ってわたいなんかは思った。

だが、坊さんは 意外な事に なかなかの人格者だったようで・・「いやいや」と、静かに微笑んで・・・

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「拙僧はこう思います。亡くなられましたおじいさまにとって、この初孫であられる御孫ちゃんの泣き声は…お経にも勝る 何よりの供養ですヨ♪」 と。。。


・・・その言葉を受けて、親族でもない筈の ホリは、まるでダムの堰が崩れたように、『…うおおおおぉぉ!!』って号泣した。
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な??みんなよく観ろヤって。。ホリの えべっさん親方に対する 日頃からの敬愛は けっしてポーズなんかじゃネエんだからナ!

そこいらの 打算でナミダ流せる器用な生き物とは ワシと同期の このホリは格が違うンじゃっっ!! ナメんなヨ ああっ??


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「逝ってしまはりよってわナ えべっさんの親方・・・」「ああ・・・ジツの父親同様っていうか、オレにとっちゃ、あのヒトはチャーミングなヒトでなあ・・・」
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『どうか!ホリさんも 骨上げに同席を!』って、喪主の長男さんから請われましたが、ホリは「いえ…わたくしは ご親族でもございませんし。謹んでご辞退します」っと固辞、あくまで筋を通す 頑固者ホリで。

冬の短い 西日を受けながら わたいと ホリはヨコに並びつつ、溝口の駅へと向かう 川沿いの原の道を歩いておりました はい。

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リク「もう 内密にする必要も無くなったわナ。明日からは ホリ、オメエも晴れて・・・喪中の組にこの言い方はマズいか・・・だが、ぶっちゃけ《いよいよ》だナ ホリよ」

ホリ「正直・・・どうしたものだろうか?? オレなんぞ 古参の軍曹がスライドして親方 勤めるよりも、リクのとこの《暁》や、シンタロさんとこの組と《合体して》、オレは この先も大番頭で居続けたって方がベストだったのでは??って ついつい思ってしまうんだヨ ああ」


…なぁ? ホリよ・・オメエ、このワシが、ナニひとつ気付かないぐらいのアホアホやって思てンかいって、ナメたらアカンぞ ああ?

知ってた・・・ホリ、オメエが港の現場で見せる態度それは…《悪役》、けっして 悪玉では無い、《役》なのだよナ??

よせ!ナンも云わんかてエエがナ! ワシらはヨ、かつて共に、泣いて 泥水啜った《同期》やないかって・・・。

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えべっさん・・・イイ親方だったもんナ、ただ唯一の欠点・・・《押しが弱かった》。。。

それはたぶんに、えべっさんの 人柄の良さ やさしさからの由来だわナ。

ホリよ オメエのこった・・・だからオメエは思ったのだよナ?《このままではいけない》って・・・。

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         替え難い 大事な後輩 大事なチーム・・・

親方である えべっさん、その人柄と人徳を守りつつ・・その上で チーム、その規律と規範、そして何よりも大切な《チーム全員の安全》、

毎日 仕事が終わり、チームの面子を それぞれの家庭へ、家族のもとに帰らせるために、

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ホリよ オメエは 承知の上で【嫌われ 恐れられる《悪役》になったのだ】・・・そうやろ?答えなくてイイよ ああ。。。


《びれんのホリ》だなんて…ンな ザケやがった!陰の通称も・・ある意味では、覚悟きめ 悪役をしてる オメエにとっちゃ勲章だったかな?

でもナ、その びれんのホリにシゴかれて、育ってった若い衆には、1ミリの 間違いやシッパイなどは無いやんか?

そろそろ判ってくるだろう頃ヤ、若い衆もヨ。ホリのとこで揉まれた 荒くれには、安心して現場まかせられるって、ほぼ日本中の港の現場 その評価の声にヨ ああ。

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     ホリよ オマエはよく演じた 非の打ち所も無いぐらいにナ…


でもナ・・・ひとつダケ・・ワシから 云わせろヤ?

己を捨て、愛すべき親方を ひたすら陰から《立てつつ》、チームの大事な 根っこの部分を 懸命に支え切った オメエの《悪役》ぶり 見事の一語に尽きる けどヨ・・・

おそらくは・・オメエのココロの内部での そのストレスと、本来の自分とは違う 悪役を演じる事での内部葛藤は ハンパじゃなかったろ?

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無理もあらへんって・・ぶっちゃけ テメエ自身が いっちゃん嫌う、そんな人格を《あえて》覚悟で演じているのだからヨ・・・。

心底から・・・ホリ、お前は《やさしいのだ》ああ。思えば、マロンとの1件だって 色恋や打算とかでは無く、

《ああいう風な生き方しかできない》マロンっておんなに対する、ホリの不器用な《ケアの行為》だったンだよナ・・・。


だが・・・そんな《悪役を演じる自分》それについて、・・・【 それをイチバンに、憎んでいたのが《オマエ自身だった》のじゃないのか??  】


それがナ・・ナンとも 同期のワシとしては 哀しいのヤ ああ。同時に、その構図をどうにも出来ひん テメエのチカラの足りなさにもハラが無償に立って。。


なあ ホリよ?? みんなには敬遠され、陰でクソミソ云われて、石を投げられる  ンな《悪役》だけどヨ・・・


フト思うのヤ・・誰からをも 愛される事も無い悪役とて、いや・・だからこそだ!!


せめて・・その《役を演じる》ホリよ、【お前自身ダケでも!】その役柄を・・・愛情と 慈しみの念を以て・・・【愛してやらなきゃ…】あまりにも!哀しいじゃあないか!違うか!?
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        そんな自分を肯定し 解放させるのだ! ホリよ

東映の映画、出てくる悪役俳優らは その全員が悪人な筈は無いし、プロレスかて、本当に悪人だったら 呼ばれる訳がナイやんか悪役レスラー。

ナニひとつ変わらんやろが?キミかて。悪役を演じて来た自分に プライドを持て。ワシだけは ナニ有っても ホリよ オメエを信じ 支持する。


しかし・・本来の自分自身を捨て、チームの為 恩人である親方の為、次代を担う若いやつらの為・・あえて《悪役》を演じる・・そんなのも もう終わりだろ? 20年近くも 支え切った えべっさんは、残念だが 亡くならはった。。。

そうなったならば、ホリよ、次は【オメエが先頭に立たなくてどうすんだっっ!?】・・そんなのを《謙譲の美徳》なんかとは呼ばへんて!《逃げ》だそれは!


ホリ「・・・オレな・・不安なんだよ…どうしようもなく。あの えべっさん親方の跡を継いで、親方って業務を引き継げるのだろうか?って。。」


・・・生真面目だなあ 相変わらずホリは。真面目がゆえに そんなことで悩むのか。。。


   わたいは云いました。

・・・なあホリよ、オメエが野球のピッチャーだとして・・2アウトで満塁…3ボールに追い詰められたってすんならヨ、フォアボールよりも いっそのことカキーン!ってバッターに打たれたほうがイイだろって、ワシ思うねん ああ。。

なんでか判るか? それはナ・・・忘れてはアカンえ?【 オメエの後ろには《7人の仲間…みんなが守っているのだからサ》 】

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     オレらがついてる!勇気出して思いっきり投げろ!

たとえ打たれてもヨ、そのバックの【みんなが】・・捕ってくれて 見事アウトって仕留められる可能性なんざ 充分にあるじゃん!!

恥ずかしながら このワシが居る! ランかて居てるデ! 多くの賛同者が みんなキミのこと支持して 一致協力をするんだって!

それにワシはまだ諦めてない。九州の子会社に渡っている あの 伊集院主水も、このハマの本社へ 呼び戻すことをナ。


憚りながら《遊撃手》は このワシがつとめるけんヨ♪ホリ、オメエは ワシをはじめとした《同期の人間》それ信じて 思いっきり【 投げてみせろヤっ!! 】。。。

 なあ? 自信持て ホリよ!!オメエの気持ちも判らなくはない。どんな優秀な飛行士でもナ、半年も空を飛んでないトキが続いたなら、次のフライトが ガチで怖くなり 前の晩寝られないと聞く。

お前はさ、羽ばたいて飛ぶ時期を逃したトリなのだ。実力が無いって そんな訳がないゼ♪シンプルに 今までと違った環境 ロケーションの変化が怖いってダケさ♪



話してて気が付いた・・・今までイッペンも ホリとはそんな話は一度もしたことがない。

もしかして・・・ホリは このわたいと、ココロの中で、『もっともっと!!色々なハナシを語り合いたい!』って、そう熱望していたのでは無かろうっか??・・・
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           「あの1件」以来、ホリは孤独で…

伊集院主水もそうだったが、このホリにしても、正直わたいは、《すべてが別種》そう思っていた感が。

主水やホリは、さしずめガッコでいうなら、《先生のお気に入り》だったしネ。

マルっきりの 横紙破りで、既定路線とはかけ離れたリクめなんぞ、少なくともホリとは決して馴染めない違った種族なんだと思ってた。


昼のランチを 同じベンチに腰掛け 食べて記憶は有るけど・・・たった今 気付いたヨ・・・ホリ、オメエとはわたい・・・


本当…ただの1回も・・・サケ酌み交わし ハラ割って 話し込んだって機会も 無かったンだよナ。。。

ヒョっとして?・・・ホリよ、お前は…それが とても《寂しかったのかい??》。。。

同期である わたいや そしてランに、敬遠され 疎んじられているって思ってたか??

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アホ・・・そんなんアルかいって!わたいとラン そしてホリよオメエも…共に あのキツかった小僧修行を耐えきった同期・・・【 同志 】やんかって!!

とちクルっても、ホリ オメエのことハブになんかするってかヤ。だが そうであったならゴメンな。。。

わたいとランは、無意識の内に…同期の中で 一番槍の出世を果たしたホリ、お前をサ、ぶっちゃけ ジェラシーもあった・・・でもナ・・それ以上に・・

「荒くれとしての王道を進む」オメエとツルんでブラ下がることで、イイ目にあずかろうって・・・ンな みっともない真似はクタバったかて したく無かったのヤ それだけは信じてくれ な??

ホリの将来への可能性にとって、こんな凸凹でしかないワシらは、一定の距離を持つ方がエエやろって思った。


 
 いかついカオを くしゃくしゃに歪めるようにして  ホリは  泣いた。


この世に 生まれ出た以上、ヒトだけでなく、生き物はみんな 歳をとり やがては病んで果てる。

それは たとえ神のチカラも以てしても どうにもならないでしょう。

でもネ・・・ボクには その諦めの気持ちと同時に、ひとつの「希望」それもある。


それは ホンの数日前、自宅で 我が 娘チャンと話していた際に。

わたいが「おとっちゃんが歳取ってボケちゃって、アンタ ユッコのこと 忘れたらどうする?」と訊いたなら・・・

そうしましたならば 娘は、悪魔もきっとたじろいでしまうでしょう とびきりの笑顔を浮かべて・・・こう・・

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『 そしたら友達になろうよっ♪ ワタシたち きっと仲良くなれるヨっ♪ 』だって。。。

「そだそだフロ入らなきゃ」っと、わたいは席を立ち、バスタブの中で 娘の言葉を反芻し しみじみと  泣いた。。

移りゆく時は誰にも止められないし、永遠だと思うモノとて それは錯覚で。ワシら同期の絆だって この先 果たして??

けどナ ホリよ。予測も出来ない 未来へ ただ恐怖し絶望するよりも・・・たとえマチ針の如く か細くても、

希望の《光を》・・その胸の中に 抱ける者こそが 真の意味での 「しあわせ」なのではなかろうか??


ナニひとつとして欠陥も無い 完全無欠な人間などは居ない。誰もが 他の誰かに支えられ、そして 支えながら この世界は動いているのだ思うんだ ああ。。。


 そうだ。オレら「同期」がサンザン経験し尽くした「アナログで意味も無きシゴキとイジメ」

それは「ある年を契機に消え失せた」それは・・次の年度の新人が入って来る直前に、

『もうこんな意味の無い風習・習慣はオレら台を最後として 葬ろうゼ!オレらがもう2度とそれを再現しなければ出来る!』

って、熱っぽく語り みなの同意を得た結果、見事なぐらいにイジメは無くなって。

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            自分が「英雄」って記憶を呼び起こせホリ

 その 熱く語った者こそが・・・ホリ…お前なんだから ダレが忘れるかヨって!! 変わりなんかしねぇゼ、

 ホリよ お前は オレら「同期」その中の【 英雄 】なのだからナ ああ。。。

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               【 完 】

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   【 YELLOW CAB  】 甲斐よしひろ


 混線したRadioの ノイズを切り

 気を鎮めるように ワイパーのスイッチを切る

 艶やかに黒光する 夜の闇


 ふりはらわれる雨つぶの フロンtガラスの彼方

 うたうように懐かしい あの頃がよみがえる

 愛でもなく希望でもない 彼女を残し

 俺はこの街にたどりついた


 吹き出るスチーム 7色のネオン

 ふしくれだった指で 胸にクロスをきる

 そして今夜 YellowCabで

 夜の街を流してる

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 濡れた舗道の わだちの跡も

 消え失せあとの悩みは 耳鳴りとパラノイア

 アスピリンを いくつか口に含み

 汗ばんだ手のひらを ハンドルにかける

 これから夜通し これから夜通し走るのさ


 街角の映画館の人混み

 雨によごれた たくさんの愛

 いつか激しい雨がすべてを

 洗い流してくれるさ そうだろう?


 あいつをおいてくる前の晩

 ある男と俺は 小さな賭けをした

 だけど そのギャンブルにも ギャンブルにも勝てず

 わずかな金と引き換えに おまえをおいてきた


 そうさあの晩 おまえの体をひきかえに


 幸運はなぜ? ある人々だけにほほえみ

 ほかの人には そっぽを向くのだろう?


 夜がだんだん 冷たくなっていく

 4番街の角で 誰かが手をあげた


 そして今夜 yellowyCabで

 夜の街を流してる・・・・・・・


https://www.youtube.com/watch?v=ZU3OdZfaquw

    171224gg6.jpg      Merry Christmas





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【 悪役志願 】(前後の 前篇)

 港に 通称『びれん の ホリ』っていう奴が居る。ジツはリクめと同期なんです はい。

この「びれん」ってのは、正式アルファベットだと「 Villain 」《悪役》を指します。

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『リク親方ぁ~~・・びれんの大将、ナンとかしてくださいよ.ヨぉ~~ 同期なんスよね?』っと、

後輩筋からは 何度となく《泣きが入る》その対象がホリでした。

どことはなく、六平直政サンにクリソツっていうか、コンビニ強盗を目論むってバカでも、仮に このホリあレジのカウンターに居たなら・・

まず 間違いなく、犯行はサラリと諦め、「やっぱマジメに働こぉ~」って改心するかもってツラでス(笑)

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じっさい けっして《ただ やさしくはない》後輩らにとっては、文字通りの『鬼軍曹』で。

だけど・・ホリはサディストでも冷血漢でもない。それが証拠に、幾多の《出来る後輩》を幾名も育て上げ ハマの港現場における 名伯楽として名をはせていて。
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       ダメ親方筆頭あだスと大違いで。。

港の 老舗チーム《耀》の 副チームリーダー、大番頭として辣腕をふるうこれまでの日々で。


正直・・・ホリは同期でも、出世が遅れていたと思う・・・。コレは けっして、わたくしめの出世ペースを自慢して述べているのではございませんで、

ある意味で、ホリは 《耀》への所属を選択した そのことが、本来の実力を発揮、それを おおいに評価され、
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副チーフへと出世するペースは、同期の誰よりも早かったのは事実。だけど・・・《どっこい!その先が 詰まっていた》。。。


《耀》の チーフ、親方は、通称で《えべっさん》名は体を表す、どことなく 恵比須様を彷彿とさせる、なんとも福々しい感じがします親方で えべっさん。
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コレといって、積極的な 指令や指示などは出しません。現場の港で にこやかに、現場の若い衆を見守っているダケって気も。

ナマイキですが、リクめには・・この えべっさんが、果たして『親方職として 抜群に優秀か?』っと 問われるなら、正直 言葉を濁してしまうのですが。。。


ただ…わたいには《判っている》… 要は、この えべっさんのラッキーというか、最大の功績は《ホリを獲得できた その事に尽きる》ってことで・・

ちょうど 幕末京都の「新選組」、鬼の副長「土方歳三」が 隊士らへ恐怖政治を敷き、その対比として、局長である 近藤勇がドッシリとして動かない。

新選組は このコントラスト構造の確立により、土方が いっさいの憎まれ役を担い、TOPである近藤は、カリスマ化が具現化する。

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          《耀》にとって「弁慶」が護ってるのとイッショ

《耀》でもマッタクもって 同じ構造といえます はい。えべっさんはナニもしない 云わない、もしかして…その力量が無いのかも知れない・・・

その分、ホリが キツい業務の現場で 若い衆らを おおいにシゴき上げる。ホリのリッパだと思えるところは、親方である えべっさんを 1度とて ないがしろにしたり、軽視したりは けっして無く、

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常に えべっさんを 二の次になどせず、親方これでよろしいですか? とか、 本日の業務はこのように進ませていただきますが問題ございませんか? っと、常に えべっさんを「立てる」。


リクめですが、正直・・・『ホリよ いつまでも それでエエのかヨ??』って、幾度も思ってました はい。

私事ですが、このリクめにしても、かつて 我がチーム《暁》その 先代親方を 小バカにしたりって そういう真似はいっさい致しませんでした。

とても小柄で チョっくら とっぽくて、ウッカリも多い そんな御仁でしたが、ナンたって、港のリクにとっての ゴッドファーザー《港のジン》その 弟分だったヒトですからネ。

仕事が終われば『こら!この文鳥オヤジっ!! エエ加減にしなはれヤ!』とかって ツッコんでましたが、ホリと同様に わたいも親方は立てました ええ。

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       「親方職」は、棚ボタで転がり込んでは来ない…

ぶっちゃけ・・このわたいが、30の半ばでもって、暁のチームリーダーと なり得たのは『状況が生み出した 偶然』と呼べまして、

わたくしが入社した時分の 暁って組は、会社にとって 完全に お荷物扱いの、廃止寸前の『ダメダメな組』それで。。。

港での コンテナ荷物等を扱う 作業員、通称「ギャング」と呼びますが、1チームは およそで12名体制で、

《耀』が その12名シフトを 4つも抱えていたのに対し、我が暁は、親方含めても、12名ギリの ワンオペが「やっとやっと」ってンな状態で。

ま~~・・女性化に加え ガンコな変人でありますリクが居るし(笑)そこに古参として、夜逃げのキンさんや、マラリアのゲンさんも居るって、
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                   あの組にだけは・・・(泣)

新規入社の者が、その研修期間を経て チーム所属分けって際には、『えっ!?いや~~…《暁》ダケはカンベンしてくださいヨ!』って、

マッタクもって、人気も無ければ、活気も無いって、そんな弱小もイイとこのチーム。。。
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わたくしですが そこ…《暁》へブチ込まれた それを『チャ~ンスっ♪』って思ったッス。

要は…『ココの場所を皮切りにして トップ盗っちゃえばエエんヤ♪』って、ココロは「下剋上」(^^;
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           思えば ソロバンずくの「野望の塊」で

それが 仮に、ホリが三顧の礼で 迎え入れられた《耀』のような 規模も大きい 老舗のチームならば、

ちょっとやそっとじゃ、わたいなんぞが 頭角を現すなんてのは 夢のまた夢・・・。


しかし、入社して チーム分けがなされるまで、いわゆる「丁稚奉公の期間」わたいもホリも 現場で《シゴかれた》。
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ナマイキそのものですが、当時におけます 海運も港の貨物取扱のドッチも、マジでもって『ダメな業種業界の現場』それだったと思う。。。

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作業もラクではないですが、まずもって・・職場おけます人間関係が、およそ平成の世の中に合わない、アナログで陰湿とも呼べる体質で。

1年が経過するって際には、20名で入った筈の同期の者は、半数どころか、僅か4,5名にまで減ってて・・・

その殆どが『人間関係が耐えられない』って理由が殆どでした はい。

間違ってて 履き違えた認識でス、先輩らの言い分・・かつて自分らも上からサンザン、シゴかれ、イビられ、イジメに遭った。先輩となった今、今度はオレらが同じことをしてナニがワルいか? って。


リクめですが、女性化ってことでも殊更「目立つ」のに加えて、恥ずかしながら当時のわたくし・・・ぶっちゃけ、港の現場の先輩ら・・『コイツら全員バカ!』って思ってましたから(笑)(^^;
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        上からすりゃ『可愛くないクソ生意気な後輩』

クチではハイハイと調子よくしてても、やっぱ・・内心で小馬鹿にしてルのがカオに出ていたって思います ええ。思い出したくないですが『シゴかれた』。。。


ただ・・シゴきにかかってル先輩らも、だんだんと・・・どんだけ 殴ろうが蹴ろうが、マルでメゲずに ケロっとしてます、リクって生き物が「次第に不気味に感じてきた」ようで。

イジメに走るヤツほど ココロは弱虫ですからネ、きっと『このリクが 将来出世して、オレよか上役にでもなったなら絶対リベンジ喰らうワナ・・』って風に 不安感じた諸先輩らの多くは手控える空気になって。

で、コッチは『けっっ!テメエっちらなんぞは ワシの出世の踏み台ヤ♪』って、あくまでバカにしてルって図式。

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ホリですが、かれは持ち前の「風格」そして裏表のない キチっとマジメな性格で、やかましい先輩らからも、入社してより ある意味 別格の待遇で。

荒くれノベル「10年の牢獄」で登場しました 伊集院主水とも同様に、港の現場サイドで 次代を担うリーダー候補として期待されていました。

ぶっちゃけ リクめなんぞは、伯父が現社長だからって理由で『簿外でモグり込んだヘンな生き物』って観られてたのが「真実」。。。



しかし・・・色々 あったなあ。。。思えば 相撲部屋入門とか刑務所の方が よっぽどラクチンだったのかもって。


ホリとのかかわりで印象的に憶えているのは、とある日、わたいとホリのコンビえでもって、コンテネヤードで 貨物コンテナケースに「玉懸け」って、ワイヤーロープをかける作業、それをセンパイから受けてて、

覚えが悪いわたいにハラ立てたセンパイが・・コッチの言い分いうなら、《ココをダぁ~っと》とか、《ビシ~っとそっち方向に絞めて》とかって、アバウトな支持しかしないセンパイにこそ問題あるとも思えたのですが。


『ばっきゃろいっっ!!そんなんじゃ100年ヤってたってモノになんねぇっっ!!死ねヤ貴様!』っと、キレたセンパイから 蹴られたわたくし・・
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問題は「その場所」・・・横浜大桟橋付近、大型観光客船が入港出来るようにと、盛り土をして丘を築いたって場所で、哀れ蹴られたわたいは、港の地面から・・・11m下の【海面へと落水】。。。


ばしゃ~ん!!って、まるでジャイアント馬場さんから 飛行機投げを「板の間で喰らった」よな衝撃・・・一瞬で世界が緑色に変わり・・・
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おそらくは 5,6mは海の中へと沈んだのだと思います ええ。そんトキつけてました安物の時計が水圧で壊れましたからネ。


しかし・・「そんなんで」メゲるではないのが わたくし(笑)そんトキ思っていたのは・・『くっそ~…ンな重油だらけの きちゃない海につかってまったやんか、スグにシャンプーせにゃどもならんがナ』ってことと、

『あったまきた・・・もはや怒りもMAXやけん。。この岸壁 這い上がったら、あのセンパイ・・・コロしてまお。。いっさいの容赦はせん』


ンでもって・・岸壁 お気楽な ボルダリングとは違い、ヌルヌル ドロドロのコンクリート壁を けっこー苦労して這い上がり・・・


上がりきりましたならば・・・ホリが、リクめを蹴り落したセンパイつかまえてボッコボコにグロッキーに追い込んでまして はい。
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               おっかね・・・ @@;

センパイ氏の胸倉をば掴み、恐怖で縮んでますかれに ホリは「わかったか!?先輩も後輩も関係ねえ!!ヒトにはナ、ヤっちゃいけねえことがあんだヨっ!!云ってわからんヤツは カラダで覚えろヤ! おいリク、コイツのアタマから腕の方を持て オラぁ下半身持つから、せえの!で、コイツ 海へほうり込んじゃおゼ」って。

でもって ホリとわたいは、スグ放り出すのは勿体ないので(笑)ブラ~ン ブラ~ン♪って、幾度もブランコのようにフェイントかけて、

ボロカスと化したセンパイはモチロン、『た・・たすけてえええ!!』
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            嗚呼 愉快爽快なり♪

叫びを聞きつけ 集まって来たセンパイら諸氏も・・ホリと ずぶ濡れ、重油まみれのリクが、ゲラゲラ笑いながら 今にもセンパイを岸壁から海へと放り出そうとしているって図を目撃して 凍り付いてました はい♪

その後におけます 余波の鎮静チョっとタイヘンでしたが アレは ジツに『気持ちよかった♪♪』。。。


・・・ひとつ学んだことは…『 この荒くれの社会、ナメられちまったら お終いヨ 』ってこと。
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       ナメられちまったら、オトコ稼業一生が台無し


  あれから色々あったよなあ 色々と。。。。。


期待NO・!だった 伊集院主水は、北九州の子会社へと飛ばされ・・・ダレひとり 期待もしてなかったでしょう このリクめは、やはり同期のランと同盟を結び、弱小だったチームをどうにか再生させ、会社本体業務でも、3等なれども一応の重役と。

そして・・・伊集院と同様に、期待を一身に集めていた『ホリは』・・・ある意味、生真面目で リクめのよに 強欲な自我が薄かったせいか?

依然 優良で 大人数のチームとはいえ、『サブリーダーという地位のままで』。。。
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これまでにも、わたいとランですが、サケ飲みながら、この《変遷の結果》について話し合ったことがあって・・・

リク「なあラン? 考えてまうのヤけどナ・・《今の状況》・・・期待を一身に受けてた主水は 故郷とはいえ、事実上の《島流し》・・ホリってなら、ウチとこ《暁》でいうならショーゴなんかと同じ立ち位置のまんまで。。果たしてコレで良かったのかねぇ??・・・」
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ランは持ち前の 悪党ヅラ(笑)を歪ませるようにして しばらく考え込み そして・・・

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ラン「やっぱサ・・《リクは リクとしての 生き方しか出来ない》しヨ、同時にホリも《ホリとしての生き方しかできない》のだって、そう思う ああ。。ホリは・・やはり、《ついてない》そういう人間なのかも。あまりにも早い速度で あの《耀》の副リーダーに上ったのが、今となっては仇になったとでもいうか・・・」と。

リク「せやナ・・。ワシら入社してから 十数年…思えば その環境は激変してきた。期待もナンも されんかったワシなんぞが、結果として、生き残った存在で居るって事実に 正直、戸惑うというかナ・・・」


ラン「オレもリクもさぁ・・言うなれば、《進化論での ガラパゴス生物》外来生物の脅威を排して シブどくサバイバル、独自に変化を為せた。だが・・オレらがヨ、けっして優秀だって理由でサバイバル出来たとは 正直思わない・・」

リク「ああ・・・マッタクそうやナ・・」
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       環境の変化に対応した「弱者」なんだオレらは

ラン「要は…《激変する環境に対する能力が備わってたから生き残れた》それなんではなかろうか? ってナ。だけどリク?《それを》恥じる必要なんて1ミリも無いって思うゼ?」

リク「せやけどナ・・どこか・・ホリにも主水にも・・・《彼等には借りがある》・・そないに思ってしまう自分がアルのヤ ああ」


ラン「でもヨ、リクやオイラとかの出世は、けっして立候補とかした結果ではないじゃん?すべては 上が判断した事であって・・・」


リク「せやかて、大半のヤツらは こう観てルわナ・・・《結局 リクの破格の出世は現社長の親族だって ハンデ付きの結果だ》ってン。。」


ラン「ンなもん《好きなだけ言わせとけ!!》ってよぉ・・・。少なくともオラぁ間近で知ってる・・・リクの伯父貴である社長は、テメエの親族だからって、偏った贔屓のゲタ履かせる人間でもねエだろしヨ、リク、オメエだって、そんな構図にノって、安穏とするよな阿呆なボンボンとは無縁だろが 違うか??」

リク「ああ・・・。社長の甥だって事実は、ワシにとっては むしろ《足枷だ》・・・そうでなきゃヨ、コンテナ現場 事務局 ンでもって バイヤー業務なんて、いくつもの現場に絡む必要も無かったやろナ。おkげで カラダはケッコ~にボロボロやって(笑)」


ラン「ホリの奴はサ、アイツはあまりにも、《港の現場にこだわり過ぎた》・・・おそらくは、ハマの港で最も優秀な大手チームの サブリーダーとなれた。だが・・・アイツには《それ以上の 視野の拡がりが無かったんだヨ》今の差は それなんだと思うゼ ああ・・」
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        ラン「ホリ、アイツはあまりに純粋培養過ぎてた」


リク「まあ・・そうなんだけどネ、だがキミかて知ってるように、ワシは 正義のヒーローでも、博愛の人間でもないやん?むしろ、あらん限りの《ケレン》…エゲつない、結果オーライ的なウラ技駆使して 駆け抜けて来た 汚れた英雄だワ・・・」

ラン「そう 自虐するなって!ハッタリだとしても、それを堂々と繰り出し 勝負に勝つってのがポーカーの達人技だろが?勝つダケが真の意味での《ブラフ》じゃあない、気のノラない相手に勝負の席へ着かせるそれも重要なブラフ。ただ闇雲に、純粋で真面目であるってのが、サクセスの要件にとはならない、それが現代のサラリーマン事情じゃんかヨ 違うか??」

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ホリが所属する チーム《耀》 その名物親方であります 通称「えべっさん」。

それが最近、どうも体調がよろしくないようで・・・現場で チェアにどっかと座り、全体を眺め 指示など出すのですが・・・

周囲では《いやあ♪ えべっさんの親方が居てくれると 現場が締まりますワ♪》って持ち上げますが、ぶっちゃけ・・《このヒト、ヤメるのを5,6年誤ったナ》っと みなココロで思ってて。。。

正直、カラダの具合が相当にワルいのです ええ。以前より 血糖値と血圧が高く、現場でも しばし意識混濁に陥るってのが何度も有って・・
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しかし、《その容態でも》、サブリーダーである ホリが懸命、そそて賢く 酷い言い方ですが、ジャンク同然の親方を見事に支えているって構図で。

しかし・・いよいよヤバくなってきたようで、えべっさんは 現在入院中で しばらく、その姿を観てない。

 ・・・いよいよ あの《耀》も 次のリーダー、親方を選出するより手はなかんべえ・・・っと。。。
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そうなりますと・・コレも誰しもが迷いもせずに思う・・・『あの ホリを差し置いて、他にダレが居るかよ』っと。

しかし…ナマイキですが、わたいなんかから云わせていただくなら、『それは 下の地位の者の発想』。。。

ぶっちゃけ…「親方業」ってのは、人柄がよい、現場差配の実力がある って、それダケで『勤まる単純な構造では無い』ってことで。
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        清濁併せた老獪な『喰わせ者』でないと…


効率の良い《ウマい作業》《ボロい商売♪》は 文字通り 奪い合いでス。それについての 鼻が利かない組は、いつも後塵を拝して 骨折り仕事ばかりとなって。

そこそこ、それなりに『政治リョク』も必要になります。本来、才能溢れるとはけっしていえないリクめが、それ補う代償として、キツいカラダ鞭打って、3つもの作業現場をこなすように。
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       「至らないからこそ」血吐いてもガンバすんだお!

ホリには云い難いですが・・・『チームの者の為 《タヌキ》になれるのか??』それだけが 不安の種で。


で、リクめが懸念する以上に、港の界隈では「そのことに」盛り上がりを見せてもいましてネ、

『どっから湧いて出やがった?』って そう思える程、自称でも他称でも『次の《耀》親方候補者』ってのが ぶっちゃけウジャウジャと「しゃしゃり出てきやがって」・・・。
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          美味そなハナシにゃ群がりやがル連中。。。

ですが、またもナマイキながら、わたいからすんなら、そいつら全員は『甘い!』・・・

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恥も てらいの無く、名乗り挙げるって、その背景には・・・ホリっていう 出来る大番頭が控えている♪ って、その 棚ぼた的な安心感『無いとは言わせんゾ こら・・』で。


事実、社の 執行部の定例会議でも「この問題」は、俎板に上りました はい。

案の定ってか、サダヲを軸とする、執行部重役でも、銀行出身筋を中心とする重役陣は ブリリアントな経歴の人材を 次の《耀》のリーダーへ押し込むべきと主張しました。
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リクめですが、『アホぬかせっ!』っと、徹底して その趣旨には反対を示し、

『これまでにイッペンも 現場に出た経験も無い、金勘定のみがウマい ンな人間なんぞに、《耀》の次の親方は務まらへん!!』と。

そして 伯父であります社長にもこう…『ホリの力量に不安がアルゆ~ならば、ナンで??もっともっと早いうちに、ホリつかまえて、必要とされる 帝王学を教え込みもせず居てたのでっか?と言いたいッスな。失礼ヤけど、それ社長であるアナタの怠慢ですえ?」と。

で、当然・・・ボロカスの 言い合いになって(笑)(^^; どんな言い合いでも、最後に「勝つ」のは、自我の より強い生き物と 相場は決まってる。

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         オラぁナっ!スキ好みでイってルンやないわい!!

リクが発した ひとこと、それが切り札に。『親方はアホかて なんとかボロも出さずに出来る、わたいが出来てるように。だけど・・・みんな冷静に考えましょ~ヤ??《ホリの替えは利きますか??》・・・アイツが北向いて(ヘソ曲げて)ウチの社辞めて、ライバル会社へでも移籍したならどないしますのん??搾取ばかりじゃ金の卵産むトリも逃げ出しますエ??』


クチ喧嘩にみな疲れ果て(笑)結局として最後は『も~イイよっっ!!次の親方は ホリってことでヨ!』って1つの結論に持ち込んだ いひいひ♪

…ただ、『社会で 正式に事例が交付するまで、この結果については一切、他言不要に』ってことで。。。

1秒でも早く 港で今日も 辣腕を振るう ホリへと駆け寄り、『出世っっ!!いよいよ同格で勝負ヤ ホリよっ!!』っと共に祝いたい気持ちは 封印をかけられ。


いよいよ その持てる実力に見合ったポジションが訪れるホリ、めでたしめでたし と手放しで祝いたかったのですが・・・

ひとつだけ・・・懸念というか、不安材料が。それは・・・

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 あのオンナに 徹底的に利用され 裏切られたココロの傷が 癒えているのだろうか?? ということ。


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              後篇へと 続きます

「風街」と「ろまん」 (完結篇)


 今にして思えば・・・あの「悲劇」は、長いといえます「夏休み」が原因だったとも思えて。。。

基本インドア派の 如月風街は、視力のせいもあり あまり活発には外出は少なく、

おまけに、この夏場は、ヨコハマで暮らす 妹の「ろまん」も来ていて、いつもでなら、風街のノルマであります 愛犬の「ステッキ」を連れての 付近への散歩。

それを ろまんが帰るまで、ろまんとリクが デート代わりに代行していた。


要は・・・風街ですが、『自分の視力が より《低下しているのに気づいて無かった》』と。。。
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見えにくいのなら、見栄を張らず 杖でもついていれば良かったのかもって気もします はい。


いつもの 宮津の田舎道。でも 京都縦貫道路って、自動車専用道路の 宮津出口がスグ 風街の家の付近に出来ましてネ、
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田舎道とはいえ、日中も 夜間も、それなりにクルマの通行量はさかんとなっていたって、それも原因のひとつで。


本当に、ナンてこともない 歩道と 本線道路との間の「段差」、高さなんて僅か 8cm程度なものです。

だけども・・・ぶっちゃけ その段差が そこに存在するって視覚情報・・それが そのトキの風街には「わからなくなってきていて」。。。

横断歩道でもない場所でしたが、ステッキを連れた風街は、横断して 反対側の舗道に移ろうと試み、てっきり 平らな道だと思い込んでいた そこには段差が。

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前のめりのカタチで、風街は 道路面へと倒れてしまい、運も悪く 自分の 顔の前額面をしたたかにブツけてしまい・・少し 流血を伴うケガもしたのですが、

さらに悪いことに 「気を失ってしまった」。言葉は通じなくとも そこは賢いうえに 殊更 主人思いの愛犬ステッキ。。


スグに事態を理解したようで、ウォンウォン!!と、声を何度もあげ 気を失っている主人を なんとか起こそうとさかんに風街を さするが如く、鼻先でつつく。

それでも風街は気絶したまま。。。
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その一部始終を見ていた住人の証言・・・

・・・ほんの 思えば十秒って秒数やったけど やったら長い時間に感じられたわナ。。。

メガネのにいちゃんが道路に倒れて、メガネの破片があたりに散らばって・・・

そばで もう本当に必死!って感じで イヌが にいちゃんを助け出したくて 慌てている構図って。

『起きてよ! ねえ 起きてったら!!』って感じで 必死な声を挙げてナ、けなげだったエ。


そうしたなら・・・東京都のナンバー付けた 1台のベンツな・・・40km制限の道路を、たぶん 縦貫道路からの流れなのやろう、

あきらかに 時速60kmを上回るスピードで ドンドンそこへと近づいてきて。。。

ブレーキをかけてる気配すらない。おまけに・・・運転席を観るなら・・・運転してる人間、ケータイ電話で誰かと 運転中にもかかわらず会話に興じてる雰囲気やないかって!!

『あっ!!あぶない!!このままだとブツかってまう!』って ワシも当然やけど思った。でも、咄嗟にはナンもでけへん。

クルマはドンドンとコッチへと進んできよる・・・そうしたなら・・驚いた正直。。。

大声で啼いて にいちゃん起こそうと必死になってた「イヌが」・・・急に コッチ向かって失踪してくるクルマに向かって・・・

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「グルルぅぅ~っ!!」って 怒ったカオで牙を?きだして、まるで・・・覚悟決めたように ダアア~っと・・・

コッチへと走って来よる ベンツ目がけて 【 突進して 】。。。

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              やめろっっ!! 戻れ! ステッキ・・・

パ~~ン って・・・金属音みたいな音が響いた ああ。。。クルマのバンパーにハネ跳ばされたイヌは、弧を描きながら 道路へと叩きつけられ・・・

クチから少し血を吐きながら 苦しかったのやろナ・・・。ホンの数秒 ブルブルっと全身で痙攣見せて ンで・・・パタって「息絶えた」。。。
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リクめは その知らせ、『大変やぁっっ!!リクぅ!!オメエのクラスの 如月風街が!・・飼い犬とイッショに事故に遭ったデ クルマとの!!』幼馴染の 付き人ホットブラザースから聞き・・・

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よほどに慌てて居たでしょうボク、片方はスニーカー もう片方はビーチサンダルってそんな恰好で 全力ダッシュで 現場へ駆けつけますと・・・


救急出動の救急車、ストレッチャーで 風街が搬送されるところで。。脇を観るなら ガードレールを曲がらせ、電柱に激突 前方を『大きく破損しているベンツが在り、

地元署の警察官も数名 来ていました。検証と聞き取りをしています。

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 そして それの脇には、 うつぶせの姿勢で もはや 息絶えている 【 ステッキの姿が 】 っっ!!まさにショックでした。。。


『ってか・・何度もいってますでショ??不可抗力ですってば!まさか あの至近距離で、あのイヌがコッチへ突進してくるだなんてダレが想像できます?』

事故った運転者でしょう 派手なアロハシャツに白の綿パンって、遊び人風のそいつは さかんに事情聴取の地元所の警官へ 喰ってかかるような態度で。
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『ええ…イヌ跳ねて ガードレール擦って 電柱に激突した それは認めます。弁償はしますって、任意保険もチャンとオレ入ってるしネ。』

 ですが その次に そいつは 許しがたきことを。。。

『って・・タマんないスよ!なんたって!いきなり!!えらいスピードで あのイヌが…オレのクルマ目がけて突進してきて。アレ 避けれる運動神経の人間居ないッスってば!』
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   クズだ・・・マジでこの野郎・・・

『でもオマワリさん、オレ交通法規とかで知ってますヨ、イヌ・・【 アレって《モノ》でショ? 】人間相手ならシャレなんないけど、イヌならモノだ♪飼い主さんにカネ払って弁償すれば済みますよネ?』


・・・《モノ》だと?? てめぇ どのクチで ンなことホザイてやがル??・・・

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あんなヤツは 許しがたい。いや、許してはいけないのだ ああいうクソ野郎は。。。

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   でも…たしかにヒト以外の動物は全部「物損事故」…悔しい。。


飛び掛かって・・・って・・・考えていたなら・・

 『ふざけるなぁっっ!!なんやお前!ワシ全部観とったンやデ!一部始終!!』って・・・

それは・・・ダレあろう、工場仕事の帰りらしい 【 マミコのおとうさん 】で。。。
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おとうさんは『さっきからウソばっか云うな貴様っ!!オマエ スピード違反の猛スピードで飛ばしやがってからに!オマケにお前、ケータイで電話に夢中で 前ロクロク見てへんかったやないかっっ!!』


云うだけでは済まず おとうさんは ドライバーのそいつへ つかつかと近づき、その胸倉 シャツを掴んで・・・

『お前ナ!お前ナ! 人間ではなく、イヌならばナニしても許されるって思ってるんか!?この ひとでなしめがっっ!!』
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 ・・・おじさん・・・

『イヌかてなぁ!・・イヌかて、この世に生を受けた 大切な《命》それに変わりはナイのやゾっ!それ死なせといて、お前にゃ償いのココロすら無いっちゅうんかい!?世の中をナメるナっ!!』

「ナンだヨ 離せよ!!痛てえなオッサン バカなのアンタ??」憤る マミコのおとうさんを振り払う そいつ。

振りほどかれたおじさんは、昼前に降りました にわか雨で出来た水たまりに転がっちゃって・・・着ていたシャツとズボンは泥水でみまれて。。。

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それでも立ち上がり、再び ドライバーに掴みかかろうとする おとうさんを止めたのは やはり地元の警官で・・・

警官は おとうさんの耳元 小声で こう云うのがリクめにも聞こえました。

『ヤメいて!ノブさんっ!エエから!・・・後はワシらにまかしとき。。ワシかてナ、さっきからあのガキにゃドタマきてんねん。ダレがアイツの云うような《物損事故》で終わらせるかって!アンタの他にも証言者が要るけんナ、悪筆な道交法違反で、取り調べでチビらせてやっからヨ♪せやからノブさん、アンタもここは鉾納めぇヤ な??』と。
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「そいつ」は 無残に道に横たわる ステッキにお亡骸には目もくれず・・・

『あ~~あ・・・一か月前だゼ、このクルマ買ったの。。。ヘコんじゃうよなぁ・・コレで事故車入りかヨ、どんだけ査定下がるンだ 泣けるゼ・・』

おまわりさん・・・いっそ 死刑にしたってくれへんか? こんな野郎はヨ・・・


わたいは、ズボンのおケツに下げてたタオルを手に取り、マミコのおとうさんへ近づき、濡れてしまった シャツやズボンの水汚れをふき取りました。

おとうさんは、『お スマンの リクちゃん。 つい…ドタマに血がのぼっちまってヨ、みっともないとこ見せてまった。 ああ 恥ずかし』って、ムリしてボクへ微笑みました。


「保健所の収集車が着くまで 通行の障害やけん、もっと道路の端っこに移動させよヤ」と おまわりさんらが、動かなくなった・・ステッキの亡骸を移動し、

正直、あまりキレイとはいえない 薄グレイのビニール風呂敷をかけてて、その様子を マミコのおとうさんは、ぼんやり眺め・・・


・・・ワシな…マジで 観ておったのヤ。あのワン公が・・・倒れて気絶してる にいちゃんを それこそ必死で!起こそうと焦り、ぁおおおぉぉぉ~って、あきらかに 号泣している声で啼いた。

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もう間に合わない・・・って・・ワンちゃんなりに覚悟したのだろう 多分・・・。そのトキのワンちゃんの《顔》おそらくやけど この先もズっと忘れない気がするワ。。。

茶化していう気はコレぽっちもあらへんけど・・な?リク坊、人間だけじゃなくて、イヌの《特攻隊》ってアルのかなあ?・・・

よっぽど、主人に愛されていたワンちゃんだったのやろナ・・・その 愛する主人をなんとかして助けなくちゃって・・・ っっ!!

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あのイヌは・・・あのワン公は、自分の命 投げ出して、倒れているにいちゃん、それを《救おう!》って、そう覚悟決めた顔、ワシにはそう思えた ああ。。。


畜生とはいえ、健気なのものやナ・・・っっ!! ヘタな人間様よかよっぽど!情愛アルってい思わんか??

暴走してくるクルマへと突進する あのワンちゃんには、微塵もビビったり 逡巡するって素振りなんか無かった。断言できる、あれは覚悟の上の行動ヤ。。。

それがなんとも、ワシ 強烈に刻み込まれて・・あのクソガキゃ・・アイツの あの態度と口ぶり、聞いてたら、どうにもガマン出来なくなって みっともないとこ見せて待った。 

・・・って、おとうさんは ナミダを拭った。


ボクは、《別の理由で》・・本当に 泣きそうになっていました はい。

この マミコのおとうさん。キャリア30年にも及ぶ、《食肉の 屠殺と解体》それの職人です。

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ただでさえ、存在する「職業差別といわれなき蔑視」・・《肉の解体なんて仕事に就くヤツはロクデモない血筋の者や》、そして、

地域の 貧困家庭が多く住む 地区の文化住宅 通称《隣保館》に住んでいる事実と相まって、おとうさんと その一家、マミコも含んで、

かれらは、《アイツらは部落民 四つヤ!》って・・・一方的差別に晒されていたのでした。
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先程の オマワリが、ノブさんと、親し気に声をかけてきたのも、それは決して 友人とかだからで無いです ええ。

それの理由は・・地元で 窃盗や盗難などの事件が起きますと、警官が 真っ先に捜査に向かうってのが、マミコ一家も済む 隣保館であったからってのが理由で・・・事件のたんび、警官が聴取にその都度来るうちに 顔なじみとなったって、1つの「不幸」

ホント・・・酷いハナシですよね? 証拠もないのに、隣保館のヤツはナニするかわからへんって、ただそれダケの理由で、あらぬ嫌疑を「真っ先にかけられ続けた」。。。
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それがどうでしょう? おとうさんが、大手食品会社の工場に勤めだし、隣保館を出て 一家が 駅近のマンションへと移り住んだ 【 途端 】・・・

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      周囲の人間は 見事までの「てのひら返し」・・・

街の人々は、テメエらがかけてきた 数々の差別行為なんか コロっと忘れて・・・《や~最近のノブさんはスッカリ 真人間になってよかったナ♪》などと。。。


おとうさんは それこそ毎日、30年にも渡って、牛や豚、数多くの家畜を屠殺してきた。「生きるために」。。。

わかります、『ダレが好き好んで動物をコロしたいなんて思うかっっ!!』・・・おそらくですが おとうさんは、自分と家族が「生きる為」、
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ココロならずも 手を下す所業に、心で手を合わせながら、処分される動物らの冥福を祈っていたのだろうって。

きっと、おとうさんにとっては、ヒトの命も 他の動物の【命も】上下なんて関係ない、すべて「等しく平等で大事」と感じていたのだと しかと思えるのです はい。当の自分や家族が いわれなき差別を受けていたのですから、ステッキを思う気持ちにウソなんてあるか!!

・・・だからこそ・・偶然 居合わせただけの、知りもしないワン公、その健気な、己の命を懸けた行動それに、こんなにも 泣いてくれているのだ。。。
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 コレを《それは偽善だ》っていうヤツは前へ出ろ。 ワシがぶん殴ってやっからよ・・・・・ 

納得いかない いわれなき長年の及ぶ 差別、それを受けて来たヒトだからこそ・・・主人を守るために あえなく死んだ・・一匹のイヌ それをこうにも「思いやれるココロを持っているのだ」ああ。。。

ナミダを拭いながら おとうさんはボソっと、『それにしても・・さっき救急車で運ばれよった にいちゃん・・愛犬が死んだって そう聞かされたなら・・どんだけか、悲しみはるのやろナ・・・マジで それも不憫やて・・・・』


 通行が再開され、通り過ぎる多くのクルマ、そのドライバーは、ステッキの亡骸なんかには ナンの興味もないでしょう。

通り過ぎるクルマの起こす 振動で、かけられたグレイのシートがパタパタ、その度に揺れるのが どうにも哀しかった。。。

警官に許しを得て、わたいは、最後・・・少しだけ ステッキに触らせて貰いました。そのカラダ撫でますと・・・まだ…暖かな ステッキの「体温」が残っているのが、たとえようもなく 悲しかった。。。


    『 ・・・ステッキ・・・ 』


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「ステッキ」を・・・失った 親友の「風街」は・・・

マジで 本当の「自暴自棄」に陥ったようでした はい。自分が転倒し受けたケガはたいした事もありませんでしたが、

愛犬のステッキを失った そのショックは 計り知れなかったようで。


かれの その悲しみを思うと、わたいですが 迂闊にくやみの言葉を述べるのも なんか気が進ます。。。

それでも、風街のお父さんから『なんとか風街を 元気づけてやってくれないか?》って、お電話をいただき、ボクは重い足で 風街の家を訪ねました はい。


風街の自室に入りますと、風街は、デッキチェアにフテくされたように身を投げ出した格好でした。
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・・ん?なんかヘンな匂いが充満・・・あ?コイツ、タバコ喫ってやがル・・・。それだけやないデ・・バーボンウィスキーまで。。。

刺激しないようにとは思っていたがガマン出来ず わたいは、「こら!風街! オメエ、どういうツモリやねん!緑内障にタバコって、それ いっちゃん!してはアカン組み合わせって知ってるやろがっ!」

そう怒鳴ると 風街はダルそうに・・『やかましナ。。放っといてくれヤ。ボクは・・もう どうなったってエエねん ああ。早くももはや余生ヤ♪早くクタバリたいワ はは♪』と。
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ステッキを失ったショックと落胆、それは判りましたが、でも・・・

わたいは、「・・・ヤケになってしまう、キミの気持ち 判らないでもない。」 風街「それはどうかな?・・・おためごかし 云わんといてくれるか リク キミもダチってなら、緑内障に効くってゆ~マリファナでも仕入れてきてくれへんか♪」

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       そんな…哀しい姿を見せてくれるな 友よ・・・

リク「そうかも知れん・・・だが・・聞けヤ 風街。一命を賭して キミのこと救った、あの ステッキ、かれの《行動の意味》、少しはそれ 考えたらな、浮かばれんエ?ステッキも。。。」

風街「・・・おバカなイヌだヨ・・っっ!! こんな!もうじき目が見えなくなって、父さんやろまんに、迷惑ばかりかける身となるだろう、こんなボクのことなんか放っといて、早く逃げてしまえば良かったんだ・・ステッキ・・」


リク「そんなこと・・・ステッキ哀しみよるデ??」

風街は言った。

・・・なあリク? 悪いけどキミには、この《時限タイマーが作動した病人》その気持ちは判らない・・・。

ああ・・今まで 見えていた世界が・・・やがて《思い出だけに変わる》って・・・時々クルいそうになるんだ ああ。。。

でも、そんな思いも、いつもそばに ステッキが居てくれて、やさしくボクを見守ってくれていたからこそ「耐えられた」本当だヨ。

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   風街、オマエには愛する妹「ろまん」だって居るじゃなしか


だけど もうそれは無い。。。そうなるとサ、今観えている世界や光景なんてのは むしろ《幻》なんだ。


だけど・・こないだの 格闘技戦でのリク、キミの姿・・・アレは本当に「見事」の一語。

判ってたゼ・・キミはマルオをはじめ、ダレひとり、傷つけたりはしたくなかった筈だ。だけど あえて・・・《鬼と化した》、その 天使と悪魔を両方背負った、キミの姿は 正直 神々しかった ああ。
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理解しないヤツなんか放っとけ!キミは このボクに 一生消えない残像・・それを刻み付けるために 闘ってくれたのだよな?


わたいは云いました「でもナ・・・こんなワシのマルオの肘破壊した、あんな悪行の姿よりも、ズっと 比較にもならへん・・・キミのそばには、《世界一 美しい世界》それが いつもスグそばに存在してたのやデ?」

風街「どういうことヤ それは???・・・」


・・・《あの映像》それを風街に見せよう。。。そう決めて。

「チョっと待っててヤ、お父さんのパソコンと、ビデオ再生マシンを同期させるから」(思えば手数のかかる時代でしたね)

例のディスク。『無断ですが チョっと お借りします』って念じて、ボクは ビデオ再生のボタンを押しました


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 延々と続く 夏の小道 時折 さも暑そうな『ハッハッハ!』って息声が聞こえます。

やはり、ボクが最初に観た時とマッタク同じ反応、風街は『ん?なんだこの映像は??』って 怪訝な目で観ています。

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ズ~っと、地を這うようなアングルからの「映像」 時折 それが垂直に上がり、見上げるアングルの先には、真っ青に晴れ切った 青空と、そして白い雲が。。。


やがて その映像は、公園らしき地域へと進み・・・ 「ん?これは、島崎の公園と違うか リク?」

低いアングルは変わらず、ズっと 撮影者(?)のカメラは 公園の先へと進みます。

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サッカーボールを蹴っている男子の子供が見える。コッチを見て 一瞬驚いた顔を浮かべ、で 次の瞬間 ニッコリと微笑んで、やさしい表情を浮かべ。
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ベンチに3人で腰かけている 地元のおばあさんらが見えた。少しだけ コッチの方に 手を伸ばすような仕草を見せて やはり やさしく微笑んでいる。

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別のベンチでは、若いカップルが なんだか深刻そうな顔を浮かべて 言い合いをしているような図。やがてスグに コッチに気付き、急に 表情は和らぎ、やさしい表情の寄越します。


 風街『 ・・・ああっっ!? コレは・・っっ!! このアングルって、もしかして・・【ステッキが観ている世界なのかっ!?】・・・ 』

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          みんなが「やさしい」・・・

日陰で ムスっとした顔の男性老人、やがてステッキに気付くと、ぎこち無いないながらも、普段 自分の孫らに見せる顔つきと同様なのでしょう、「あやす顔つき」へと早変わりして。。。

女のコらの集団が横切ります。みんなコッチに手を振りながら、いかにも やさしげにニコニコしながら通り過ぎていきます。

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撫でてくれるヒト、ダレも嫌悪の表情老いは無い。通り過ぎる他の犬も、人間の視線の高さから判ら韻だよネ、あきらかに ニコやかに『笑っている』。。。


・・・そこには、差別も偏見も ましてや 憎しみなど「一切ない」・・みな 本来 持ち合わせている筈の【ヒトとして やさしき部分】それを隠そうともせず、やさしく ステッキに向けているではないですか。

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       すれ違う 他のイヌまでもだ・・・

風街は泣いていた 無論、ボクだって。。。

風街『これが お父さんの《実験》か・・・。知らなかった・・・CCdカメラを ステッキの目線の位置に仕掛けたのか・・。ステッキが・・普段 観ていた《世界》ってのは、こうも!!【 美しいものだったなんて!! 】』と 泣いた。


 ・・・な? 美しいよナ? コレがキミに見せたかったのヤ ああ。ステッキが観ていた《世界》それは こんなにも【美しかった】。。。

それだから!あのステッキの「ココロ」はピュアであり続け、あんなにも【やさしかったのだ】・・・な?コレこそを【 美 】と呼ばずに、この世のナニを指して 美しいって云うのやろか?知ってるなら 教えてくれ風街よ。。。


 そして・・・忘れてはならない・・・この《映像》こそは!・・・ステッキ自身が 望んでいた【 とても穏やかで みんなが 優しい世界の図 】だったてことなんだ ああ・・・。

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翌日。わたいは、風街を誘い出し、付近を散歩へと出ていました。 心配すな 風街、イッショのトキは、このワシが ステッキの替わり努めるけん♪

午後の丹後 日暮れにはもう少しの時間帯。

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風街が呟きます「すっかりと・・夏も終盤ってか、もう秋に変わってきよるナ」

わたいも「ああ。宮津の 灯篭流しも、京都市内の 五山の送り火も終わったしヨ。見えるやろ?エラい数のトンボが飛んでるワ」

風街「リク、キミ…どうあっても あの格闘技のウラ賞金・・受け取ってくれないのか??」

リク「ああ。そんな気分にならへん。ナンなら いっそのこと、出場した8人 もちろんキミも入れて、 ぶっちゃけ、《打ち上げ会》ヤ♪ お好み焼きと焼き肉ぱ~ち~開いて♪パっといったろやんか♪」

風街「それもエエけど・・《それ」 》したところでヨ、ワシらは高校生、サケもおおっぴらに飲めんし、いっくら食いよったところで、3万とチョっと程度やろが?宮津界隈には高級店もあらへんし・・」

リク「余ったなら 大事に貯金としとけヤ♪どうであれ、あのカネは、キミの人生初の貴重なル《評価》、間違っても安易に無駄遣いするもんとチャうやろがって」

風街は、空と大地 そして周囲の風景を改めてのように 見渡しながら・・・


風街「こういう・・なんでもない風景だって・・・気持ちや思いを切り替えるならば、世界一に美しい光景なんだよネ なリク?」

リク「ああ・・・それを いみじくも教えてくれたのが あのステッキなんヤ・・・」


向こうの方角から、背の高い男子高校生らしきオトコと、傍らには女子高生、 カップルと呼ぶには まだ ぎごちない感じで。

よく観るならば それは・・ 「マルオ」と「マミコ」で。

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マルオは、左ひじ付近を軽い くの字に曲げたギブスに覆われていました。もう退院したらしい。

こうして観ろと、なんだかマルオは 試合のトキまでのカッコマンにして傲岸な雰囲気はスッカリ失せ、憑き物が取れたようなカオをしていました。

近づいて 視線が合うと、マルオは 少しおどおどとしながらも、わたいへ ぎごちなく微笑みました。

マルオ「後遺症の心配は無いそうヤ。リクの云う通り・・マイッタ!せんかったワシがなんたって悪い。気にすなヤ。ウチのオフクロにも えらいお目玉喰らってまってナ・・《アンタいい気になりないなヤ1どう頑張ったところで勝てない相手は居るのやから!》って。でも・・・ぶっちゃけ・・痛かったでぇ~~(笑)オレもオトコや、四の五の言い訳せん!リクの勝ちヤ」

そして・・マルオはゴソゴソと ズボンポケットから、旧いノートらしきものを取り出し・・・

・・それでナ、今日はジツは そこの、風街クンに用があって。。。

あんナ・・・ウチとこの旅館の風呂なのやが・・ジツは 一般に公表してない《隠し湯》があってヨ、一般家庭ん風呂桶と変わらない程度の それは小さい隠し湯なんやけどネ、商売にする程の《湯源》も乏しいのヤ。
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効能は《ラジウム鉱泉》それだけやなくて、海岸脇やろウチ、なんか海の成分も混入されてるらしくて、それ・・眼病患ってはるヒトとかに、バカに出来ん効能があるそうなんヤ もちろん緑内障も。


で・・この古びたノート、これ、先代のうちとこ旅館の番頭さんが、マメなヒトで、その隠し湯を提供して 効能があったヒトとかの詳細をこまめに書き記してはってナ。利用者からの感想も書かれてるワ 参考になったらって。

時間があるトキにキミも読んで欲しい。で、少しでも興味が湧いたら、是非!そのうちの 隠し湯浴びに来てくれヤ♪

いつだって歓迎する、同じガッコに通う者同士、カネなんざ1円もとらないからサ♪ 正直・・キミの絵の《ファン》でもあるのヤ ワシもネ(照)

 そう云われた風街は 微笑んで・・

・・・ありがとうございます マルオ先輩・・・。是非 甘えさせていただこうって思います。その節にはよろしく。

でもネ・・あんまりボクのこと 腫物扱いせんといてください♪ 目が醒めたのです「あることで」。

マルオさん《ベン・シャーン》そして《エドガー・ドガ》って知ってはります?どちらも《盲目の画家》なんです ええ。

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     『盲目は私の創作活動のハンデではない』とシャーン

そのハンデだろうと いくつもの傑作を遺していますかれらは。ボクがこの先 全盲になろうと、この世界には そのお手本となる先輩らは星の数ほど居る・・・

午前の郵便配達で こないだ検査した結果が届きましてね、ボクの「目」当初の予想よりも 光を失う可能性は薄れてて♪今後の治療次第では、全快まではいかなくても、片眼だけでもセーフとなる可能性が十分あるって。

だから「負けません」、たとえ光を失ったとしても、ボクには《想像を超えた美しい風景》その記憶で 充分 生きていけます♪


うんうん♪ ココでいっちょ、わたいもカッコつけたろやんかって♪

リク「で・・マルオ先輩?」 マルオ「え?なに?」

・・・ほかならぬ《マミコ》です ええ。。。

もう・・・マミコのこと、ドッチが《とるのとらないの》って・・そんなん ヤメにしません??

ワシも ココ数日でよくよく考え そして反省もしました はい。気付かせてくれる出来事も有って。。。

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マミコは《物》ではありません・・・。独立した 崇高であり、かけがえのない 1人の人格です。誰の所有物でもない・・・マミコが、果たしてドッチのオトコを選ぶか?? それは・・マミコの選択に委ねませんか??


なんたって、まだまだボクらは あまりに《若い》、急いて 答えを決める必要もないでしょう?

その答えが出るまでの間・・・《♂2 ♀1》って、《ドリカム関係》で、牽制しつつ(笑)楽しくヤってきませんか? ネ♪
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          当時の「ドリカム」はトリオで

返答の替わりに マルオは 笑った。ジツに良い 笑顔でしたよ ええ。。。


 ったなら・・風街が急に・・・

風街「こら!リクっっ!エラそなこと言いやがってからに!オメエ、オレとこの妹 キズモノにしたやろがっ!チャンと最後まで責任とって貰お~やないか!!」

リク「・・・あ、あのなぁ・・・(--;ンな ムチャクチャ云いないヤって!」

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この 道端での即席漫才に、固い表情だったマミコは、『ぷっ!』って、噴き出して笑った。マルオも朗らかに 声を挙げて笑った。

云った ボクらも笑った。ゲラゲラと止まらない空気で。これまでの すべての わだかまりが全部 溶けていくような、そんな気がしました はい。


 そうなんだ・・この世界、 とくに 人間っていうのはサ・・・【 おぞましくも 美しい 】それなんだ。。。

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       丹後半島 大江山から見下ろす雲海です

ドチラの面も全員が抱えながら「生きている」。それを 教えtくれた 【 ステッキ 】よ ありがとな。。。


       《 完 》


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   【 トリップダンサー 】   By ピロウズ


 アラームが鳴ってても 目覚めないこの国に 生まれて来た ぼくらの現実は

 ハンドルを縛ったり ハードルをくぐったり 慣れるなんて絶対不可能さ


 配られる種で育つ未来 笑い飛ばした君を 喜ばせたいけど

 僕の振り回す手が空に届いて あの星を盗み出せたら 何か変わるのか



 たどり着いた誰かが 残していった旗に 群がるなんて下品なしきたりさ

 来るべきときが来たら 君の立つ足元も 頂上なんだ それは間違いない


 海を逆さにしたような空 レインコート着たまま 溺れそうになっても

 歩み寄るべきだなんて思わないだろう 探してるものは僕らの中で騒いでる

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 僕の振り回す手が空に届いて あの星を盗み出せたら 何か変わるのか

 歩み寄るべきだなんて思わないだろう 探してるものは僕らの中で騒いでる

  yeaaahhh  Trip Dancer


https://www.youtube.com/watch?v=t4ETUI56vXU

「風街」と「ろまん」 (4乃3)

 【 16歳リク 鬼と化す 】


『え~それでわ! 栄えある宮津高校、《校内格闘技決定戦 第一回大会》を開催します!』
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なんとも間延びした、人が良いだけが取り柄の 生活指導のセンセの開会宣言がなされて。。。

・・・へっっ! ナニをえっらそ~~に! たかだかが、調子コイた高校生による ワルノリ企画イ
ベントやないかって!

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特設リングって聞いてたが、それも「やっぱムリ」で(笑) ナンのことぁあらへん・・・剣道部の練習場、板の間にテープ貼って そこにて戦かえってか 泣けてくるやん。。。


けっこうな数の「ギャラリー」集まってル。女子生徒の数も多い。。。それの殆どは、マルオの「おっかけ」要するに そんな色合いのイベントだって事なのさ。。。

参加する 8名の「猛者」(笑)

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■ マルオ(キックボクシング) ■ ウチムラ(柔道部) ■ ノジマ(レスリング部) ■ アンザイ(相撲同好会) ■ シマザキ(一般生 少林寺拳法) ■ タバタ(一般生 地元のヤンキー) ■ モトヤマ(外部高校特別参加者 ボクシング) そして リク(合気道 空手) といった 『 8名 』。。。


で、まあ… 観るまでもなく、ギャラリーらは みな一様に『こりゃ 決勝戦は マルオVSリクだぁナ』って、そう睨んでやがるようで。

ヤンキーのタバタを除くならば、マルオとリク以外は みな「田舎のヒトのよい高校生」に過ぎなく、これから真剣勝負に臨むって緊張感よりも むしろ、愉しいイベントに参加するんだって、ぶっちゃけ『カオがニヤけたまま』それで。

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「試合」は、剣道場の和太鼓 ドン!! って音で試合が早くも始まりました。

2ラウンド制 一回5分間で。決着つかない場合は 更に 延長戦が3分。それでも決着しないトキは、レフェリーの判定で決着ってルール設定で。
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その「レフェリー」は、マルオがマンツーマンで キック習ってるって そのヒト、《タイガー喜多川》が、白シャツに黒のズボンって、 K-1スタイルで臨戦していた。


ナマイキそのものですが、わたいは おそらく決勝で当たるだろう マルオとの一戦を考えていて・・『勝負がもつれたならば、おそらく…判定でワシが勝利って その目は薄いやろナ・・』って そう思った。完全KOか、マルオから「まいった!」引き出すしかナイやろう。。。

なんせが タイガー喜多川・・キックのコーチとは云うが・・実態はナンのこともない、大阪でジム経営にシッパイして、丹後まで都落ち、マルオの実家 橋立楼の大旦那に拾われ、
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今じゃ 昼間は 旅館のハッピ羽織って、旅館の下仕事してやがルって伝え聞く。喜多川にとって マルオは 大事な主人家の 坊ちゃまだ。。。

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『マルオVSウチムラ』正直このバトルは、残酷な、典型的『ライオンと金魚』それだって思った・・・。

街場でのケンカで、意外にも「柔道のスキル」ってのは あなどれなくキケンだ。とくに アスファルトに「投げ捨てられたなら」・・軽量な者であろうと、内臓等への大きなダメージ それはけっして無視出来ない。

しかし・・・柔道を純粋に稽古する人間ほど、云えることは、かれらの柔道スキル、それは『相手の衣服を掴んでこそ それは発揮される』ということで。。。

要するに、柔道を稽古する人間は、「殴られる」「蹴られる」って作業、それに『殆ど 耐性が無いのだ』ああ。。。


マルオは、正直 意外にも・・・流麗とも呼べる ステップワークを操り、およそ5秒に1度で繰り出す《ローキック》で、着々と 柔道のウチムラを 追い詰めていた。

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『え? ナンだヨ?? 聞いてへんがな! 痛ってぇ~ このローキックっての・・脚があがんないがナ チョっと・・痛いって!!』ウチムラのココロの叫びが わたいは手に取るように理解出来る気がしました はい。


・・・ウチムラ、キミは けっして!弱くはない。ただ この「組み合わせ」は、純粋に柔道オンリーの キミには「不利」…それなんだ ああ。

こんな なんちゃってイベントに命なんか賭ける価値などはあらへん!無理なんかしないで、さっさと試合 放棄しろヤ な??・・・

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         冷徹に 勝ち誇る「マルオ」

グッタリとした様子で 両膝を板の間に屈するように付けて これ以上 地球の重力に逆らい 立っている事が不可能になったウチムラ。。。『戦意喪失で マルオの勝ち!』喜多川はそう宣言 ドっと!ギャラリーらの興奮した歓声が挙がり。


ノジマ(レスリング部)VSアンザイ(相撲同好会) シマザキ(一般生 少林寺拳法)VSタバタ(一般生 地元のヤンキー) 

ぶっちゃけ 次のこの試合は、『いかにも高校生同志らしい、観衆は笑いながら盛り上がれる そこそこの勝負内容』で。

相撲のアンザイが、レスリングのノジマを その体重を充分に活かし、覆いかぶさり 軽量級であるノジマは耐えきれず タップ「まいった!」するって展開。


次の 少林寺拳法のシマザキが、ぶっちゃけ 街場でのケンカ・スキルのみしかない、タバタを「徹底的に空振りさせる連続」
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ブンブン!と、ガキのケンカそのものに、両の手を大きく 振り回すダケって そういうタバタを シマザキはフットワークで受け流し、遂には スタミナ配分って問題なそ1ミリも考えていない ヤンキーのタバタは、ゼイゼイと、文字通りの《OVERペース》へと追い込まれ、喜多川の最終判定で シマザキの勝ちってことに。
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   さあてと・・・ワシの出番ヤ。

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ボクシングの モトヤマって外部高校の人間、無論やけど、コイツに 恨みも因縁もあらへん。けども、こうやって クジで当たったからには ぶっちゃけ・・『仕留めさせて貰うデ・・・』

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ドン!!『開始っっ!!』わかってンよ 旅館の番頭見習いサン(嗤)そう せかすなって。JRのダイヤでもあるまいに、定刻通りとはいかないのが格闘技ってモノなんヤ。


やっぱりナ・・・。モトヤマは、セオリー通りに まずは《アウトボクシング》から コッチの動向を探ってル・・・。

せやけど、イイ機会ヤ 覚えとけモトヤマよ・・・。《インファイト》ではない アウトボクシングを選択したってことは すなわちが・・・【至近距離での《フック》それは打てない】ってことだ ああ。。。
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        「確実な 有効打」は封じられるって事だ。。

さあ…来いヨ♪ ムダなボカスカってヤリ合う展開は ワシかて望むところとチャウよってナ。さあ・・・手を伸ばし『打ってこい』・・地面蹴って 腰入れてワシのこと本気でドツきに来いヤ♪


耐えられなくなったか?? 用心が続かなくなったか モトヤマは、中途半端かな?っとも思える右ストレートを リクめに繰り出した、そんなモトヤマの腕を「キャッチして」・・・


柔道技でいうところの、『払い巻き込み』で、モトヤマを投げ捨てる。無論 カラダはピタっと密着 離さないゼ。。。

『 ふんっっっ!! 』腹筋と背筋精一杯使い、モトヤマの背後に回り込む。ぶっちゃけ 寝技の経験が無い ボクシング戦士には これからは未知の領域さ。


モトヤマさん、ワシはネ、アンタのこと 無暗と傷つけたくはナイねん ああ。スパっと!一気に『極めさせて貰うデ』・・絞め技の教科書みたいにナ。

・・・相手の背後を取り、裸絞めのような体勢から相手のあごの下に二の腕を通して襟を掴む。そして、もう片方の手を脇の下から腕を巻き上げ、腕も制しながら絞める・・・

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変形《スリーパーホールド》 古式柔術名で《片羽絞め》それだ。首の部分 頸動脈を完全に極めるならば、ヒトはホンの3,4秒で 【 落ちる 】。

ぶっちゃけ しくじり はあらへんデ。ワシは《ブラジリアン柔術》で この技を習い、ほんでもって、柔術の師範のセンセ 絞め落として(笑)いぶっちゃけ それ以後の人間関係がビミョ~になったのやけん いひいひ♪

モトヤマはそれでも数秒間 バタバタと「あがなった」。そして、下の顎がダランと垂れ、目の瞳孔が開き チカラを失って・・・「落ちた」。。。

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 『勝負あり! それまでっ!!』慌てたように レフェリー喜多川が 「落ちた」モトヤマに《活を入れて》いました。

周囲を取り巻くトーシロ ギャラリーらは 訳がわからないようで、『え??なに、もう終わったの??』 『ホンの20秒もかかってないやん。ホントにリクが勝ちよったんかい??』って不完全燃焼のようなツラしてやがります。


 けっ!! イったロ? ワシの《術》とはナ、オメエら お気楽な見物人を満足させるって ンな愛嬌などとは無縁なモノなのやからヨ。。。


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それぞれ インターバル時間をとって、準決勝が開始され。。。

向こうのヤマでは、やはりマルオが、相撲 体重130キロって、アンザイを 開始から3分40秒で「仕留めた」。

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前から感じていたけど、やっぱ マルオは冷酷なサディスト気質がアルって そう思った。リクですが、今現在でも『元・相撲取り』とはゼッタイにケンカしたくはない、そういった範疇なのです 相撲とは。

相撲という競技の、その 現場での戦闘能力はスゴいものが在るものです はい。

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     ぶっちゃけ、この「突き」素人が喰らったなら『首折れます』

だけども、他の競技熟達者 要は 「強い人間」と、ヤリ合ったばやい、ぶっちゃけ 決定的な弱点が生じます。


基本として「相撲競技」ってのは、《無呼吸で勝敗を決する競技》それなのです はい。

ゆえに・・・勝負の時間が長引くほどに、一気呵成に 僅かな秒数で決する いつもの相撲の立ち合いと異なり、

有酸素運動的に 呼吸の「吸う」「吐く」それの運動行為を繰り返すたびに、その巨大な体躯は、ブツかるに有利な武器とはならず・・・

むしろ真逆に・・・俊敏に 動き回る必要のある場面では、その体重が《マイナス面のハンデ》となる。要は『血中酸素不足状態』です はい。

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息が続かなくなってきて、ゼイゼイと苦し気な 相撲のアンザイ、マルオはそれを余裕の笑顔で 次第次第に《追い詰め》・・・

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ただでさえ 息苦しいって中に、その上 シャープな ローキック、蹴りを喰らう。。。ぶっちゃけ それが野生動物だったなら、100%攻撃受けてます野生動物は《ガマン出来ずに 逃げます》、ムリしてガマンするのは人間ダケなんです ええ。

あきらかにローキック連発を受け、アンザイは 泣きっ面のまんま ナニも出来ない でくの棒と化し、苦悶の表情を浮かべているダケ。。。

『それまでっっ!!』 マルオ贔屓なんだろが、でも この喜多川の TKOの判断は げに妥当であると思えました はい。

続けるならば それは一方的な「リンチ」 公開処刑でしかない。。。いくらデカいアンザイとて、単に大きいダケの 人の良い田舎の高校生なのですから。


わたいの準決勝、ある意味では 『少林寺VS空手』って 夢のカードだとも。
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しかし・・「こんな戦い」でもって、お互いに 長い歴史と実績を持つ 2つの流儀の武道、それの最終決戦だなんて 有り得ないし「あってはならない」。。。

こんなわたいが云うのもナンでおますが・・そんなのは まさしく『武道への冒涜行為』です。こんなヘタレのイベントが 空手VS少林寺の 最終決戦であって 良いはずがナイ。。。

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わたいは そう思い、も~徹底的に、『ビジュアル的《プロレス》』それに終始しました はい。

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プロレスです。 ぶっちゃけ、「アイアンクロー」や、「コブラツイスト」まで繰り出した(笑)

ギャラリーらは やんや!と盛り上がった。カラダをブツて合う同志 「無言の会話」わたいの「意図を」汲み取ってくれたらしい、少林寺のシマザキは、見事に付き合ってくれて♪『 飛んだり跳ねたり 』♪

ボクら ふたりは、しばし 『あえて道化』を続け「踊った」。

途中 幾度も、レフェリーの喜多川が小声ながらも、『こらっ!!ナメてんのかオマエらっ!マジメに もっと真剣にガチでやらんかい試合を!』っと小言を言った。

ふん!知ったことか♪ ワシらなりの「ファンサービス」の一環だヨ!黙っとき!!


「演じている中」、スマートな頭脳を持っているだろうシマザキは この道化を続ける最中で、『でも やはり…このリクにオレは勝てへんわナ』って悟ったようで、

シマザキも「酔拳」「カマキリ拳法」まで繰り出し(笑)

ぶっちゃけ シマザキは たいした役者だった・・・まさに、GOODなタイミングでもって『ギブアップ』してくれて♪
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         アンタの「男気」に感謝する。。。


  『おおっ♪いよいよ 次は マルオさんとリクの 決勝戦ヤ♪』
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勝手に盛り上がってヤがります 観衆ら、正直『反吐が出る思い』だった。。。

オメエら! 他人のバトル観て そんなにも留飲下がるってのか!? ナンなら この場でかまわんからヨ『かかってこいやぁっ!!』何十人だって それ受けたるデ?半殺しのヤマ 築いてやらあ。オメエらは テメエが一瞬 オオカミになったとカン違いしてやがる 哀れな『山羊だ』イザ恐怖に遭遇するなら、怖い者から背を向けて 角っこにドタマ突っ込んで メエメエ!泣くしか出来ないクセしやがって ザケんなヨっっ!!
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少し前までは マルオがムカついて仕方なかったが、『むしろ今は・・・』真の「敵は」… 酷く残酷で 無責任な、観衆の「テメエらだ!」



決勝の 1分前、会場の隅でわたいは 一応の準備 掌のテーピングを巻きなおしていますと・・・

『・・・リクちゃん・・』思いつめた表情でもって、 マミコが現れ。。。ッタクよ~~・・出てくんなって!! こんな際に。ぶっちゃけ『邪魔ヤ』。。。

マミコ「リクちゃん アンタ・・ホンマにやらはるの? あの…マルオさんと・・」

リク「ああ。。しゃあないやんか、ハナっから気は進まんかってンけど、コレも 浮世の義理ぢゃ」

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         出たヨっ!・・・そのセリフ。。。

マミコ「・・・アタシのこと・・取り合いするっていうので 乱暴な事して欲しくないのやけど わたい・・・」


・・・けっ!!オメエは 河合奈保子かヤ??♪わたぁし~のためにぃ 争わないでぇ~♪って、とんだヒロイン気分かよって?オメエが野郎なら、決勝戦の前哨戦 この場で血祭りにするとこやデ?

・・・違うンだヨ ああ。。。そりゃナ 元はというなら、原因は マミコよ オメエを巡っての 恋の鞘当て、それからすべてが発生したと言える。。。


だがナ…もはや事態は 次元の異なる段階へと昇華しているのだ ああ。ワリぃけんど、『もはや』マミコよオメエがワシかマルオか? ドッチのオトコを選ぼうとも『そんなの知ったことか!!』。。。


こんなにもセコいレベルの なんちゃってイベントだけどヨ・・・イザ、それに『乗った』以上は、とことん・・最後まで 雌雄を決する、それこそが『勝ち残りし者に架せられた《ノルマ》ヤ』 ああ。。。

でなきゃ、無残とも呼べる 敗残した あの6名の《金魚ら》に対する 落とし前がつくってのか??


 『イヤで仕方ないけど ヤラにゃあならん』のだって。オトコ稼業の 辛いとこヤって。。。

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 どんっっ!! 『開始っ!』 いよいよ 始まった 決勝戦が。。。

ま・・くだらん 舞台装置だって思うが、マルオよ ワシって生き物と 正式にヤリ合うって その為に、
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色々と苦労して このイベント実現させた オメエの苦心はのほどは 認めてやんゼ。

だけどナ・・マミコが絡んでよーと なかろうとも・・・オメエに負けるなんてツモリはワシは 百分のイチミリ あらへんからヨ。

イっちゃナンだが・・この 決勝にくるまでの 2つの戦い観てナ・・・マルオ【 オメエが技繰り出すタイミングは全部《見切った》 】ああ。。。

ほら♪ かかってこいヨ。どんだけウマい 言い訳も通用しないぐらいに、テメエのこと 葬ってやっからヨ♪

マルオが ローキックを繰り出す。 わたいは、脚を 軽い「くの字」に曲げて それをさばく。。。

ぶっちゃけ、現場でのキャリアが足らんなオメエは。ってか・・《腰が高いンだヨっ!》ジャンプしながら繰り出すローキックなんざ 畏れに足りずってことヤ。甘いナ。

ほら・・今、2秒間、ワシの上半身のガードが 空いてたゾ。わざとやけどナ(嗤)ナンで?そこパンチで打ってこない??コレがもしかして、命のヤリ取りだったなら 致命的大シッパイやデ?


そりゃ「判るよ」・・マルオ、オメエは あきらかにワシの事が怖いのだろうって。でも 心配すな、ワシかて こうやって勝負の舞台に立つ以上は、オメエのことが おっかなくて仕方がない ああ。


ってか、その「相手への恐怖の念」それがアルからこそ!オレらは共に 100%のスキルを発揮しあえるのだって事ヤ。


さあ、知ってるように ワシって生き物 いたって短気やけんナ、受けてばかりは ぶっちゃけ「飽きた」・・・行くでぇ そろそろ。。。


格闘技用の「オープンフィンガー・グローブ」フェイントとして、思いっきり・・アゴが地面に着くかってとこまで 身をかがめ、そのまんま 屈伸運動のように、突き上げるようにして、

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アッパー気味に、コ綺麗な パンチワークなんざ使うか! 《ど突合いヤ》・・日本拳法での《直突き》でもって、マルオの顔面を ブチ抜いた。 どよめくギャラリー。

『ダウン! コーナー角で待機』喜多川が云う。カウント8で なんとか立ち上がりファイティングポーズをとるマルオ。 そのカオはドス黒く腫れあがりはじめてて。


マルオの 華麗なる勝利を信じて疑わない 女子らが絶望的な 悲鳴を挙げる。『頑張ってぇっっ!! 負けないでマルオさ~ん!!』 うるせえ。。。


ややフラつき始めたマルオ、それでもステップワークで コッチへと近づいて来る。わたいは 地面を這う低さでマルオに足元に突進した。

キック、パンチではない。。ぶっちゃけ 繰り出したのは『両足タックル』それだった。


なあ? マルオよ、ワシの「選手プロフィール」、チトばかり記載が足りンかったようだナ。。。

「合気道 空手」でも《それダケではない』。。。今のリクはナ・・・【 ラガーマン 】なんだ ああ。。。
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軽量の身の哀しさ、何百回となく 潰され、弾き飛ばされ ズタボロになったけどヨ・・・。

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           その都度 絶望の中から「立ち上がった」

それでも「掴んだ」あなどれない 技… 【 フロントタックル 】狙うところはただ1つ・・『一発で仕とめること』。。。

腹で地面を 雑巾がけする気持ちで《とにかく1センチでも 低く》・・・狙うポイントは 相手の腿やひざではない。先輩からは こう教えられた『リク、相手の《足首》を刈れ!』

そしてこうも、『それには 相手よりも素早い速度でタックルかますんだ、恐れるな!オマエならば それが出来る。それだからオマエを部に誘った。ガチっと足首をキャッチ出来たなら、倍の体重のヤツだって、見事に 止めて、引き倒せるのだからヨ』と。

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         血と汗で刻み込んだ【練習結果は噓をつかない】…

16歳のリク、カラダに覚え刻んだ「頼れる武器」それは…この「タックル」なんだってこと 考えもしなかっただろ? マルオよ。。。

見物に興じていた 風街によるなら、わたいの その姿は『え? 陸上競技 短距離のダッシュ??』って そう観えたそうだ。
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 その「小またすくい」とも呼べる その技で、あえなくマルオは 後方に あっけなくも上向き、腹出して天井眺めの姿勢で倒れ、

ひっくり返すのが 最終の目的ではない・・間髪おかず、わたいはマルオの側面に「へばりつき」。。。マルオの「首」「肩」「前腕」を シッカリと固定し、『 ふんっっっ!! 』おもいっきりのチカラでもって 締め上げました はい。

「テコの槓桿作用」・・・首肩腕を極められ、その状況で 攻めますわたいのありったけのチカラ・・それは ドコに「作用点」として発揮されるだろうか?? 答えは『 肘の関節部分 』

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そう・・・『 腕ひしぎ十字固め 』・・・この技の成否はすべて、最後に締め上げる肘、それへのチカラの加減では無くて、それへと移行する事前段階における各部署への『極め』それにかかっているだ。


 隙も無く ガチっっ!!っと 極まるならば、もうどんな達人とて『その地獄からは 抜け出せない』・・・そいつが どんだけかトレーニングを重ねようとも、「肘の関節面と周辺靱帯」それは 鍛えようが無いのだ ああ。。

それでも マルオはバタバタ!と なんとか自由な下半身をさかんに動かしながら 必死でもって抵抗した。でも、それは「無駄だ」。。。


 ぐぐぐぐっっ!! ギリギリギリ!って感じの 締め上げます「音が」・・・やがては 『 みちみち・・ 』って具合の音に変わったなら いよいよの最期です はい。あとは・・・【 折れるより他はナイ 】。


『マイッタせぇヤ マルオ!』わたいはマルオに そう囁いた。しかしマルオは『けっ!誰がするかヤ ギブUPなんざ!』って無駄な意地を張ります。


  「そっか・・・。 じゃあ… 全治二か月の 地獄観てこいヤ、マルオ・・・」 最後の仕上げの 我が腹筋にチカラを入れる。。。

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 『 びちっっっ 』・・・ぶっちゃけ 濡れた雑巾を床に叩きつけるような音が響き、わたいは マルオの肘を  【 折った 】。。



ダランと、ありえない方角に 曲がります マルオの腕と 肘の関節。 次の瞬間『 ぎゃあああああああっっっ!! 』っと、ワメきながら クルったように剣道場の床を転げまわるマルオ。


脳天直撃の まさに激痛だ ムリはない。ホンの数秒前まで 勝手に盛り上がっていた会場は この瞬間に「凍り付き」・・・このイベントですが、勝敗うんぬんってよりも、 まさに『トンデモない幕切れ』へとなってしまい・・・。

後で聞いた情報ですが、最前列で試合を見守っていた 女子生徒、その数名は、『その場で 失神しよった』と。。。

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 『 折ったあああっっっ!! 折りよったデ!! リクが・・マルオさんの肘をっっ!! 』

 『ありゃマジでキチガイや!1年生のリクってのは!!どうなっちゃう??マルオさん・・』

見物の 男子生徒らは クルったように そう叫び 大声でそう叫びだしながら、剣道場から駆け出して行きました はい。


ふん…コレが 勝利者である ワシへの賛辞か まあエエわ。。。後悔も懺悔の気持ちも「無い」。。。すべては もう終わったのだからヨ。。。

俄かに「大パニック」に陥った会場を後に わたいは校舎の陰で、帰り支度をしていますと。


『・・・なんていう事を。。。してしまいよったン リクちゃんアンタって人は・・・』 声をかけたのは マミコ。

『まさか あそこまでするやなんて・・・。可哀想やって気持ちナイのんかアンタ??』


 『・・・ホンマ、オメエが野郎やったなら、・・コロすゾ マジで。。。』


けっ!やらなきゃナ・・反対に こちとらが無残にヤラレてかかも知れんのヤ!全力でマルオというエナミーを 叩き潰してナニがワルいっちゅうねん ああ??


『正直・・リクちゃん、アンタってヒトが こないにも怖いヒトやって思いもしなかったワ。。わたしら・・・チョっと、冷却期間置こう??』

蒼ざめて 堅い表情のまま、そう言いますマミコ。「チョっと 待たんかいマミコ!」


ビクっと、硬直し 振り向くマミコ「なに??・・」

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わたいは「ナンであれナ・・・クソ勇気きめて、あの マルオはワシと 正々堂々ヤリ合ったんヤ。元はといえばオメエの取り合いやデ?たとえ負けたって、マルオの その《勇気》をおおいに 称えてやれヤ マミコ・・」

「・・・・・っっ!!」


「明日にでも、おそらくは暫く入院やろって、マルオは。麻酔が効いてるうちに、見舞いに行ってやれ。自分の為 闘っったオトコや、それに《礼を尽くす》オメエのノルマやろがそれは・・・』

『 リク・・正直・・アンタってヒトが 怖くて怖くて仕方ない。。。 』そう呟いて マミコは 「去った」。。。

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 でも・・「それから後が」ぶっちゃけ タイヘンで(笑)(笑)(^^;

生徒発案による自主的な交流イベント(←よくゆ~ゼ(呆))それが・・マルオが被った 「上腕骨剥離骨折 肘部靱帯一部断裂」って ぶっちゃけ「あっちゃなんねぇ 大怪我」
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そのことが 府の教育委員会へ「見事に露見し」(笑)まさに大騒動へ発展。数々の「お叱り」を受けて、センセ方らは 「良くて訓戒 戒告処分」ってなり・・・

教頭なんざ 教育委員会への道は閉ざされたぁ!! って、泣いてやんの いひいひ♪


わたいですが、さすがに・・停学とかって処分こそ受けないものの、もはや、『開校以来の危険人物』って、そ~ゆ~レッテルが 完全に「貼られ」。。。

担任からは『リク坊 もうキミやけど、私学大学推薦は期待すなヤ・・・』って言われまスた。『あと、生徒会長立候補も職員会としては許諾出さへんので』って、ダレが立候補なんざするかいナ(笑)

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まぁムリもない。。試合後の「事情聴取」で、学年主任のセンセが、ワシのことをビビりながら 恐々『な?リク坊・・《あれ》は事故やろ??キミと3年のマルオ、試合の熱中のあまり、偶然的に発生しよった 事故行為だよナ??』

って、尋ねるのに対し わたいは、「いえ、《腕ひしぎ》は、相手の肘 破壊する気でないと決まりません。アレは・・・《まいった!》をしよらんかった マルオが悪いのです はい」

こんなセリフを 真顔で吐く 生徒 受け入れる度量の教師など  ・・居ないよナ。。。
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       ワシは バサラ大将だ 悔みなどしない・・・
      それが 打ち負かした者らへの「儀礼」なんだ。。。



自暴自棄に陥った気は無いですが、ボクは なんだか・・前よりも「一層」テメエが息して暮らしてます この 丹後の土地ってのが、いかにもウソ臭くて、痩せて衰えていくばかりなクセして、

その事実には 目を背けたまま、自分にはとことん甘く、そのくせ 他人のする事には、なにかっちゃクチばかりはさむ、テメエではナンのしよらん「評論家ばかり」って、気がして ココロの中は すさむ気持ちばかりが上回り。


 だけど・・・こないだ 風街のおとうさんから 見せられた「あの映像」・・アレは 本当の事なんだ。あれこそは 疑いようもナイ 究極の美であると。。。


     そして それからスグに・・・・・

「悲劇」は フイに起きました はい。愛犬のステッキと いつもの散歩へと出た 風街が。。。

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        次回で 完結篇でございます はい

「風街」と「ろまん」 (4乃2)

 【 自由の風を運んで来た少女《ろまん》 】


もう 病院とかでの検査は終わって、如月風街が 自宅に戻って来るかなあ? って思い、予定の無い ある日の夏休みの午後に 彼の家を訪ねました。
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         コテコテの名人芸 スキでおます♪

「ゴメンください どなたですか? 新浜のリクちゃんでス お入りください ありがとう」新喜劇の 桑原和男を真似て 勝手に 風街の自室へと入りますと・・・


中には 風街の姿はなく、その代わりに「え?どぼちて??」って、ひとりの 垢抜けた《少女》、全然 地元で見たことない貌だ。

チョっとポカーンとしてましたなら、少女の方から『アナタはだあれ?』って 問いかけが。
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慌てて自己紹介をしますと 少女は、『あ アタシはネ。風街と1つ違いの《妹》夏休みだから ちょっと訪ねてきたんだあ』と。

リク「妹さん?? でもそれにしては、キミ ずいぶん流暢な関東弁ってか標準語しゃべりはりますねんネ」

すると『ああ 言葉か。アタシ 普段暮らしてるのは、神奈川のヨコハマだから。あのネ、うちのお父さんとお母さん、離婚したのヨ、アタシがまた7歳の頃にネ。で お父さんと風街がコッチの家に残って、アタシはママと、ヨコハマ。ママは他のオトコと再婚しちゃってて、今 苗字も違うの」と。

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   ぶっちゃけ ボロっちい 宮津駅なんか停まるのが不憫な豪華列車

で『風街は 午後六時半のタンゴエクスフローラーで戻るっていうから まだ帰るまで時間あるよね。出直す??』


リクめですが 当時から けっして「ガールシャイ」ではない。ってか スケベであ~る(笑)(^^;このよに 雑駁でフランクな云い方をする女のコ「基本大好き」で。

いきなり押し倒す・・なんてしませんが(←当たり前だろが…)ケッコ~調子よく、雑談が進みにつけて、『バスト何センチ?』とか、『今日のパンツ何色?』って(^^;

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            ノリがよいコで♪

初対面にしては ぶっちゃけロクデモない エロトークをば吐いて、『ヤだ えっちぃ~』とか『エロいわよアンタ!』って、カノジョもまんざらでもない感じで。


でも…タダ、エロトークに興じていたわけでもありませんで、リクめはリクめなりに、風街を軸として、周辺の色々なことを考え すり合わせをしていました。

なんとなくは感じていたけれども、あの 風街の環境は かなりフクザツなようだ。ある意味で、《天才》が誕生するって、それの背景には、ドコにでもありがちな 凡庸なリクめのように、標準的アベレージの家庭ではムリなのかも。

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風街の お父さんという人は、関西電力の研究室勤務の いわゆる 学者さんで。「視覚化なんたら」って、難しげな研究に勤しんでいるのだと。

一方 お母さんて人は、若いころに雑誌のモデルをしていたとかで、おふたりは、どうしても その相性が折り合わなくなってきて離婚に至ったらしい。

で、妹を連れて 関東へ戻ったお母さんは、今の男性と再婚を果たしたそうで。妹が云うには『新しいパパ?うん、ぶっちゃけ《やくざもの》だよね。よくわかんないけど、土地がどうだの、株がどうだのって 家でくつろいでても、ケータイでアレコレと話してる。正直 あんまり夫婦の愛情はナイんじゃないかなあ?新しいパパは、アタシにはなんでも買ってくれるよ、お小遣いもたくさん呉れる。でも…正直 心の底からスキにはなれないヒトだよね~悪いけど。。』
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       当時まだ存在した「バブル紳士」ですナ。。

そして『ヨコハマの方でサ、アタシも中高一貫の私立高に通っているんだけどネ、毎日 愉しいっちゃ愉しい。。。でも・・こうやって この丹後に来てみると・・意外にイイわネ こういう地方も。』

わたいは「そっかぁ??ワシなんか 毎日 息が詰まるような想いで、ゲンナリしながら暮らしてるのやデ。ああ…都会へ出たいわぁ・・・」

少女は『でもサ、仮に都会出たっていっても、《日頃の鬱屈さ》なんてのは無くならないものヨ?このアタシがいい例だもん』


そして『で ホントのパパが、風街と、神戸から この丹後に引っ越した。パパもちゃっかり再婚したってから(笑)そのヒトの顔見ておくかってことで 今回ココに来たんだけどねアタシ。ま~うちのママと違って《ジミなオバサン》ってか、アタシにも やたら気を遣ってくれちゃって 正直困惑するんだけど、ホラ、兄も風街だけど、もうじき・・・全盲になっちゃうらしいじゃん?・・・それ考えると、ああいう 特徴ないけどやさしそうな人が母親ってなるのは イイ事なのかもね』

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       このコにも「闇」がアリそうだナ。。。

・・・ふうん。。。このコなりに、案外と色々考えているのだなあ・・って。


 「ねぇ?キミやけど 名前はナンていうの??」 『当ててみてヨ♪』


 「じゃあ…いくヨ?? 名前はズバリ!《ロマン》とチャウか?どないや?」 『・・・ビックリした・・。悔しいけど正解。ひらがなで《ろまん》なんだけどネ ね?どうしてわかったの??』


・・コレもひとつの《相性のなせるわざ》か? リクめは この妹《ろまん》に なんだわかりませんが、《縁(ゆかり)》を 感じ始めていたのでした はい。

この《ろまん》には、ナニよりも『自由の空気』それを感じ取れる。この丹後の土地に わたいが嫌悪感を抱く その理由・・・

それは、ニセモノの「都会」と・・ハンパな「田舎」・・・。リクめと同じ年代の若い者らはみな、雑誌からの知識・情報で、テメエらのことを『ワタシら都会のコと変わらんよネ?』って、
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週末ダケでも 試合とかで 都会へ出ている リクめなんかからするならば 正直『ナンぢゃ?この けったいな恰好と髪型は??』世の 若い者をカモにしたがるオトナの策略にスッカリとハマっている。。。


 みな どうして?? 自分が暮らし、生きている土地に もっとプライドを持たない??獲れるサカナは、東京の銀座では 垂涎の的なんだゾ

海を見ろ! どこまでも青く、砂浜は極上の質だろうが。秋になれば、小高い山に登り、下を見降ろすなら、半島全体に 雲海が広がる その風景たるや 1つの藝術だ。
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          真似っこしたところで・・《この程度》なんだお!!

オメエらの けったい極まる恰好 それは…「都会コンプレックスの裏返しだろうが?」


《ろまん》には それが「無い」。。。包み隠さず 丹後って街の、様々な断片を見せても、『へぇ~面白いネ、初めて観たぁ♪』って、ただただカノジョは「ナチュラル」

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        かの文豪「泉鏡花」も知らない『現代の都会の美』

わたいには「判る」・・・コレこそが 正真正銘の『都会の少女』だ。そこが都会でも、あるいはド田舎でも、肩にチカラ入れるまでもなく、ごくごく普通に暮らせるってのは、《ろまん》のようなコなんだ ああ。

この《ろまん》には、リクめが渇望する【 自由の風 】が在る。正直、色恋などとは違う。《ろまん》吹かせる 都会の風・・それがボクの「欲しかったもの」なんだ ああ。。。

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《ろまん》とは その後も 風街を表敬訪問、「するフリに乗じて」幾度も訪れ 会話をしました ええ。

風街の愛犬 ステッキを連れて、 ろまんとイッショに宮津の街とかを散歩しました。

「都会に住む さばけた今風の少女」それが 丹後宮津なんて片田舎で暮らす 高校生のリクめにするならば、それは1つの「光」で。

正直 話題はあまりかみ合わないです、ろまん から、ファッションの流行やら 髪型とかって 聞いても「そ~でっか…」でしかなく。

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だけども、ろまん のクチから吐き出される その言葉 言葉ひとつには、リクめにとって、憧れであります大都会の《香り》が たしかに感じられ・・・

浮気者の「血筋」なのでしょうか? 隙間風が吹き始めたマミコや、セイキ楼の跡取り娘、わたいは 思えば、残酷で無責任なガキだったとも・・・

ワルいけど この二人は…なんか DNAを次代に受け継がせるための 産む機械ってか、なまめかしくも、「単なる肉体」それとしか思えなくなってきて。

それに比べて ろまん は「華が有る」、たとえばデートして 会話して、未成年だから ジュースで盛り上がってダベる、ただそれだけでも およそ《得られる情報量が違う》。。。

勝手な言い草はわかってます、だけど・・・本来「女のコと逢ってしゃべくる」っていうのって、こういった《ときめき》があってこそ しかりではないでしょうか??
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      美しき故郷の風景も…ボクには息苦しくなるばかりで…


なんとなくは理解していました。 要は『刺激』なのです はい。浮気ばかり繰り返す ロクデモないリクめの父親ですが、

オヤジのココロの内面ってのが なんか判る気がした。オヤジも このタイクツな丹後って 片田舎で燻って、せめて その日常に「新しい刺激」それを欲していたのであろうと。。。


それから、風街の お父さんとも逢いました。生真面目で誠実そうなヒトでした。
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          「いらっしゃい♪」

「確認したくて」お父さんに わたいは、「ステレオのとこの レコードコレクション観てもイイですか?」と。


・・・やはり 「それ」は有った。『え??なあに?』と疑問の声を挙げます お父さんに、わたいは 1枚の LPレコードをとって、

リク「やっぱ アリました♪ これが このおうちの 兄妹の名前の由来なんですよね」

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それは 1970年代初頭から半ばまで、日本の音楽シーンに革命的影響を与えた、YMOで世界へ出た 細野晴臣、大作詞家 松本隆 幾つものヒットを生み出したプロデューサーでありシンガー 故・大滝詠一 天才ギタリスト 鈴木茂

この 若き天才集団 【 はっぴいえんど 】そのセカンドアルバムである 『 風街ろまん 』


お父さんはチョっとだけ驚いた顔で、『いや…まさしく ピッタシカンカンなんだけどネ。でも、驚いたなあ。。。いっちゃなんだけど この宮津に・・それも息子の同級であるキミが、その はっぴいえんど の、《風街ろまん』を知っていたなんて・・・』


わたいは「ウチの父親ですが、表向きは 工場のボイラーマンなんですが、オヤジいわく《本業はミュージシャンや!》って(笑)ナマイキでっけど、家にはヤマのようにレコードやらCDもイッパイでおます。わたい幼いころ 家にはあまりオモチャとかなくて、父のレコード聴くしかなくて、いろいろと訊きました。ウチとこにも やっぱアレウんですヨ この《風街ろまん》のLPが」


 「風街」「ろまん」の お父さんは微笑んで。

うん《はっぴいえんど》のかれらとネ、ボクなんかはまったくの同世代、団塊世代青年にとって 希望の星だったんだ はっぴいえんど のかれらは。
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リクくんだっけ?おそらくはキミの お父さんも、同じ世代なんだろうって思うネ、なんていうかなぁ…歌謡曲でもムード歌謡でも グループサウンズでもない、

ボクなんかが体験した《最初の【洋楽】だった》んだよね。「日本のビートルズ」だなんて、関係ない! なんというか、儲けようって人間らのフィルターとかとは無縁な、純粋ピュアな【文化】、それを感じたのんだよ うん。

正直、《はっぴいえんど》はバンドとしては、ライブは あまり上手とはいえなかったね。

当時でも 《ブルースクリエイション》や《フラワートラベリンバンド》《成毛滋グループ》の方がより上手だったとも。
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だけど そんなかれらを《はっぴいえんど》を 自分のバックバンドに起用した 岡林信康の先見性は見事だったって思うよネ、次代の音楽シーンは こいつらが牽引するだろうっての 気付いてたんだと思う。


《はっぴいえんど》には、「日本人がムリしてロックやってます!」って、気負いなんかまるで無くてネ、

なにより「センス」それが在った。思えば それ以後の日本の音楽シーンで、本当に、音楽がやりたいって素人連中に、

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《ホラな、音楽やるなんて簡単なのさ♪ オレらみたいに 気取らず気負わず ごく自然にすればイイんだよ》って、それ教えてくれたバンドだと。


それで 自分の子供らにつけたのサ《風街》と《ろまん》。モチロン・・ドッチ方の両親からは エラく怒られちゃったけどネ(笑)

《もしも やりたいって思うならば、アレコレ思い悩まず まずはやってみるとイイ》後悔なんて、文字の通り 後にならなければ出来ないだからネ、多少 風変わりでもイイ。自由な子供であって欲しいって一念で。


 そして お父さんは、

今日がリクくんキミとは初対面だけどサ、でもネ、キミのことは、子供たち、風街と ろまんからも、いっつも・・聞いていたんだよ 本当さ。

ふたりとも クチ揃えて云うんだ。『こんな片田舎の丹後宮津に リクみたいに会話して面白く感じさせる人間が居るなんて思いもしなかった!』って、口々に感心したように。


まったく余計な事だと思ってるけどサ、リクちゃん…キミみたいなヒトはサ、この静かで美しいけど、刺激もない土地には そぐわない人間なんだと思うネ。
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この丹後には 丹後ならでわって良さもイッパイあるのだけどネ。要は・・リクちゃんキミには この丹後って土地が 狭すぎてるんだろう。


 『リクちゃんにも見て貰いたいモノ、ボクの研究テーマがあるんだ うん』

おとうさんは言いました。

 正直なところ「ナンのためにあるのかさえわからない」って《パーソナルコンピュータ》が 最近、DOSVとやらで発展進歩した結果、
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      この「時代」は、windows登場前夜のハナシでス

超小型である CCDカメラ、それの映像を圧縮をかけ、パソコンを通じて再映像化が可能とするって、風街のおとうさんは、関西電力の研究室で その研究に日々 勤しんでいたと。


おとうさんは 急に、いたずらっぽい目つきで、『ジツはね、人間が撮影するってダケではないんだコレ。今繋ぐから、チョっと観てほしい、《ある動物》してみた結果の映像なんだ。果たしてリクちゃんキミがどのような感想を抱くかに興味がある』

ディスプレーに再生が始まりますと、最初のうちは 内容の意味がリクめには てんで理解できなくて。
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とても位地の低いアングルで 道の上 舗道を訥々と前進している そんな映像画面が延々と続き、時折 見上げるアングルででは、真っ青な 夏場の澄んだ青空が映り込み。

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それでも・・・次第に、《この映像、カメラをつけられた動物がナンであるのか?》《この映像の意図するその意味とは??》それが判ってきますと・・・



 『 ああっっ!? これはっっ!! 』 途端に ボクは思わず…滂沱とナミダがこみあげてきて それを抑えることが出来ませんでした はい。


 ・・・ 知らなかった いや、気付かなかった。。。《 世界とは…ジツは こんなにも美しかったのだ ああ!! 》
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風街のおとうさんは やさしく『やっぱり、これを観て キミは泣いてくれたネ リクちゃん。』そうおっしゃって、やさしく 蹲ったボクの肩を背中を さすってくださいました はい。


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「わかってるよ コレはあまりに馬鹿げた事だってのは」風街はそう云った。
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わたいが、『ナンで??マルオの野郎なんぞに対して、絵画コンクール金賞で得た大切な賞金を 校内異種格闘技戦になんかへ注ぎ込む』ンなアホ行動を実行したのか??って わたいの問いに関しての返答。


「ああ アホやってのは十二分に 自分でも《わかってる》。せやけど、コレも判って欲しいのヤ。。。あのなあボク・・もうじき 目、光を失くしてまうやんか?それはもう覚悟の気持ちはアルしな。でも、《その日が来るまでに 一遍ダケ》超くだらないこと、一瞬でパ~っと 大散財してみたいんヤ それ・・この《目に》光景を焼き付けておきたいのや・・」

ああ・・・そういう気分に、この風街が陥るっていうのは 判らないではない。パっと、自分だけの大きな花火を打ち上げてみたいって気持ちなのだろう。

 だが・・・納得がいかない それだって「有る」。今回の格闘技イベントなんてのはイってみりゃ、地元の有名旅館のボンボン マルオによる古典落語《寝床》の世界だって ああ。
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義太夫に凝った 大旦那の自己満足のご披露に、みんなが仕方なく 付き合わされるって構図とイッショ。

マルオのヤツは、テメエで習っている キックボクシング。それの技量を効果測定、ガッコの生徒、女子らに披露して 賞賛を受け、自慢に浸りたい それだろが?


生徒間のウワサでは・・ウチとこ高校の 学級担任、学年主任、そして教頭と・・・マルオは 自分ちの超高級旅館へ「ご招待して」

「お酒と高級料理でございます」「芸者さん 豪華にも6名でございます」「お車代でございます♪」って・・《まんまと》籠絡して、今回のGOサイン イベント許諾を得たのだって噂。
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 花街のウワサ『寺の坊主とガッコのセンセほどスケベはおらへん』とも申します

コレが露見したなら さぞかしや かぐわしき事態も容易に想像されるけど まぁ ンなことにわたい個人は興味はない。


せやけど・・・気に食わんのは・・およそのガッコの生徒らは、『おそらく 決勝戦は マルオとリクとの一騎打ちやろう』って・・・ある意味で「期待している」ことなんだ ああ。

100円単位の トトカルチョもコッソリと校内で行われてルらしい。。。 ザケやがって・・・。
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 スイマセン・・コレはウチの会社での高校●球のトトカルチョでおます(^^;


なんだか校内に ヘンな興奮と期待が起きているようだ。。参加選手、我が身の鍛えた武術のガッコ最強の証明? けっ!ウソぬかせヤ・・。選手同士がリングで 闘っている、その《残酷な見世物を》・・・

まるで ローマ帝国時代の貴族気分で、ライオンと死闘を強いられる 奴隷戦士を酒食に浸ってニヤニヤ観ていやがル・・・ズバリ!それやろが?? ぶっちゃけ「その根性」がムカつく。。。
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ワシはナ・・・テメエ自身では マトモにケンカ1つ出来ないって、テメエっちらの 夢を委託されて相手選手と闘う義理なんざ コレぽっちもありゃせんのぢゃいっっ!!アホめらがっ!

闘う者らへの ナンの支援も もしもの際の保障も テメエらにゃ出来ひんやろが? 得手勝手な夢 コッチにおっつけて タニマチ気分でいるなってんだ!ワシは奴隷とチャうわい!!

校内で 調子コイた同級生や あるいは先輩が『よっ♪ リク坊 頑張りぃヤ♪』だなんて声を わたいに対してかけてくる度、わたいは そいつらを「視殺」してはビビらせてヤってました はい。
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        テメエで闘いもしないザコは『すっこんでろ!』


で 風街は こうも云いました。


・・・なぁリク。キミにだけは理解して欲しいって思ってるのヤ ああ。。。

ボクにはわかる、キミは あんなマルオよか 数段以上も強い人間だってことナ。それにケンカっ早いんじゃないキミは。

持てるレベルで 1か2程度のスキルを使うことで、挑んでくる相手に どんなに頑張ろうともリクって人間には太刀打ち出来ないのだってことを諭しているんだ ああ。

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その・・・雄姿を この目の《記憶として焼き付けて 光を失くしたい》・・・期限を切られるとネ、なんか無性に焦る気持ちが出てくる・・・

 雄々しい姿、そしてキレイなものを 最後の記憶、記録として 脳に焼き付けておきたいんだ。《見えるうちに・・・》わかってくれるよな??


・・・でもな、風街よ、けっして自慢などではない。。。ワシがナ、イザって 本気出したとしたなら・・・

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     闘う相手の「光を消す」無残なツブシ合いなんだ。。

マジで云うけどヨ、《その構図》って、それは 美しきモノなんかでは無いのだヨ?むしろ 観てしまった自分のことを後悔する、そんなもんだ ああ。


でも、あえて「それ」は 風街には告げませんでした。「よっしゃ!ほならチト ヤったるかい♪ オマエも応援したってヤ な?ステッキ」

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そう云って 風街の傍らに居る 愛犬ステッキのアゴを撫でますと、ステッキは 喜びながらも『くうぅぅ~ん…』っと、さも心配げな声を挙げました。

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『あ~~あ・・・宮津に居られるのも明日までかぁ。。長いようで短いもんだネ 夏休みって』 っと 風街の 妹 ろまん が そう呟きます。

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「正直なところ、風街にいちゃんよりも、リクちゃんと こうやって遊べなくなるのが寂しいなあ。。ね??いっそのこと アタシにくっついて、ヨコハマ来ない??新しいパパ お金持ちだヨ、リクちゃんひとりぐらい、ヨコハマ近辺の私立高校に入れてくれるヨ♪アタシん家に住みなヨ」「無茶云うなヤ(苦笑)」

テメエのことながら・・ぶっちゃけ このわたいの ドコが気に入られたものか??

リクめは 風街の妹であります 「ろまん」、カノジョの、宮津滞在先での、「調達カレシ」って立場で、バイトや 部活の練習あれども、逢わない日はアリませんって状態でした はい。


『うん スキだヨ♪ リクちゃんのこと とっても! ヒカルゲンジよりスキ!チェッカーズの フミヤ…その次ぐらいでスキかな? リクは♪』って やれやれ。。。


リク「な? ろまんチャン、イッペン聞いておきたかったのヤけどナ?」

ろまん「なあに?」

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リク「ろまんチャンとしては・・兄さんである 風街、アイツのことは どないに思ってはりますのん??やっぱ、近い将来、視力を失う兄を持つって、この先が面倒だって考えてはるのかナ?」

そう問いますと ろまんは・・・


・・・ううん。いっぺんだって 風街あんちゃんのこと、そういう風に考えたことなんかないヨ。

昔から 風街あんちゃんって、風変わりじゃん?エキセントリックな兄だなあって実感はあったけど、でもアタシ ズっと大好きなんだ ホントだヨ・・。

素っ気ない妹に映ってるだろうけど、眼科の専門医師に尋ねて 決めていることアルの アタシ。

アタシが18歳とかになって、身体の成長が一応 終了した後なら可能らしい。アタシね、将来、風街あんちゃんに・・

 
 【 片方の 目の角膜、それ移植してあげようって・・・ そう決めてるんだ うん♪ 】

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  「・・・っっ!! ろまん チャン・・・キミ・・・」

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・・・なんたって血を分けた近親者 実の兄妹なんだから、親和性?? 角膜の相性にはなんら問題はないわよネ?

え?? うん・・まぁ・・アタシも 片目でのその後の生活って、なにかと不自由でしょうっていうのはチャンと理解してる・・・。

でも、最近では たとえ片目でも、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上アルならば、自動車の運転免許は取得可能だっともいうし♪

義眼を入れて、普段グラサンでもしてれば そうはボロ出ないッショ♪ あんまり考え過ぎも良くないってば♪


けどサ?思わない? 全盲のヒトが、たとえ 片一方だけでも その目が見えるとするならば、それってスゴいことだよネ??

風街あんちゃんの あの 絵の才能、視力の問題でダメにしちゃうのって やっぱ惜しいじゃん♪ この気持ちに アタシ…偽りなんかナイわヨ。。。


 『ろまんチャン・・・キミはやっぱり《天使》だ。。。そうに間違いない・・・』

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         このボクが、このコに惹かれた理由が「判った」。。

そして ろまんは こうも・・・

『でも、若いよネ アタシらドッチとも。今から10年も経って、今の《思い出》振り返るならば、思わず 吹き出しちゃうって そうなるかも。。。でもサ・・それでもよくなくない??ねぇ?過去は2度と再現できないよネ?で、未来はまだ来てもいない。実感をもって 色んな経験や体験それが出来るのは《今現在》それでしかないのだから。。。今 自分として感じる思いに、若くたって、未熟だろうと 真剣であるってこと、恥じる必要は無いってアタシ思ってる。。』


なんだかわたいは、この ろまんチャンの言葉、スゴく 《奥深いもの》そう感じて つい唸ってしまった。

…そうなんだ。。スグ足元、そればかり見ていたって仕方がない。そして、あまりにも遠い、遥か彼方を眺めて 杞憂にくれるなんてのもナンセンスだ。
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大事なのは その中間・・というよりも、スグ足元と、遠い彼方、《ドチラをも確認しながら【今を】生きる事》 それこそが「人生を生きる《航海術》なのだろう」ああ。。


『それじゃあ、まだ逢ってる時間はあるかも知れないけど、予め言っとくネ。明後日だっけ? 格闘技の試合。頑張ってネ MYハニー リクちゃん♪』

そういって ろまん は、わたいの頬に、チュっとキスをして いたずらっぽい顔をしながら 走って 海岸を遠ざかっていきました。
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背後の草むらで ガサガサと音がして・・・

『お~お~っ! おモテになりますねぇ♪ さすがは色男 リク様』ヤブ蚊に刺されたのでしょう、忌まわしそうに 腕をボリボリ?きながら 出てきたのは《マミコ》 @@;

リク「いや・・あの・・・コレは チョっと・・っっ!!」

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       餅つけ…ぢゃにゃくて 落ち着け@@;

マミコ「ズ~っと観てたヨ わたしは!!可愛いコやん?いかにもアンタにゃ お似合いやんかって(嗤)エエんヨ?わたいのよな 年上のオバンのカノジョ ほかして(捨てる)しもたて 一向に」

リク「いや・・その・・・まぁ 落ち着いて・・っっ!! マミコちゃん ココ座れヤ な??(あたふた)」


 『 バカぁっっ!! 』 バッチ~~んっっ!! 強烈な「平手打ち」。。。 ぶっちゃけ 『 痛っっとてぇぇぇ~~っっっ!!!(泣) 』

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        って・・ナンでこぉ~~なるのっっ!(TT)

空手の師範の突きや蹴りにだって 顔色ひとつ変えない このわたいやけど・・・どぼちて?? オナゴの平手打ちってのは こうも痛いンだろ~か??

  マミコのやつも 走って去っていきやがった。。。



『・・・リクちゃん・・』 あああ~っっ!!! 今度はドコのどいつだ!こんちくしょうめいっ!!

その声は セイキ楼の娘《マスミ》で。。。

マスミ『もう 5年になる? マミコチャンとは 長いものネ。。。やっぱり・・アタシのことなんか リクちゃんは好きにはなってくれへんのかなぁ。。。』

リク「・・・っっ!!い、いや・・スキやのキライやのって・・・ンなモンとはチト違っててヨ・・ っっ!!・・キミとことワシぢゃ、立場が釣り合わんってゆ~か その・・」

マスミ『でも うれしかった。。。リクちゃんがアタシと、アタシの家 セイキ楼を背負って、あの 橋立楼のマルオと闘ってくれるって聞いて。おかあはんも喜んでる♪』

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            毎度おなじみの(^^;

 内心で・・・『 ちが~うだぁ~ろ~っっ!! ちがうだろ!このハゲぇ~~っっ!! 』って思うわたくし(笑)


マスミ『そんなリクちゃんならば、アタシ・・アタシのサイショ・・あげてもエエんヨ。あの お医者さんごっこの頃より、もうちょっと、成長してるンよアタシ(照)』
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      なんせがカラダは街でも「ピカイチの一級品」で

勝手に・・・マッカに頬を染め 去っていきました セイキ楼のマスミ。。。

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          スッカリ やさぐれた気分の リク坊でスた はいー

・・・ったく・・ナンなんだ?? この突如の《女難の相》は?? とほほのほ。。。

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     と…エロも無いまま 次回へと(^^;
   (次は 格闘技戦バイオレンス でス)




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港で働く ジツはとっても気の荒い(?)アンちゃん・・・ですが、産まれついてのホルモン分解異常の関係で♂なのにEカップの胸の持ち主 という混沌としているわたしです。

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