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ケイトウの花だけが見ていた (完結篇)

 リクです。 戦慄に値する 本条の「告白書」ですが・・・
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        わたくし「喰えない悪人」ですから

しかし正直、読み進むうちに「ある疑念」が生じて、ほぼ同じとする考えは 盟友 八百政も同じくしたのでありますが。。。

それについては、この章のラスト付近で あきらかとして参ります。本条語りの 告白を続けます。

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刃止めを破壊したワタシ三喜彦だったが、それでも露骨にボロを出すといった、正直ワタシは そういう短絡的でわかりやすい少年では無かった。

まだオトナ世界の在り様については 1つも目覚めていない 純朴な少年を「装い」、かれらの 上辺と表向きの 世間を偽る悪徳行為の数々を・・・
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天井裏から覗き見ては 心の底で嘲笑いながら 軽蔑の念を蓄積していたのだった。それはまさに、人間界に紛れ込んだ 悪魔だったとは言えますまいか。。。


中・学生に上がったワタシであったが、「それでも」我が家は 落ちぶれたとはいえ、地元の名家として、最低限 見てくれだけは保持していたと思う。


しかし、その頃には、大きな柱である 父親の健康状態がいよいよ芳しくなくなってきていて。。。

死んだワタシ三喜彦の実母だけではなく、やはり父にも 循環器機能に持病があったようで、事故による下半身不随となってより、どうしても生じる運動不足が それに拍車をかけたようだった。
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日に日に 父の容態は 子供のワタシでも悪化を辿っているのが容易に見て取れた。

もう 過度な飲酒や荒淫 違法薬物などは摂取もしていなかったが、車椅子に座ったままの父は、日がな 海の見渡せる縁側付近で、あたかも ボーっとまどろんでいるだけになってきていた。

中毒者、ジャンキーになるのにも 体力が無くなった人間には不可能だという事実をワタシは身近の父の例で学習したといえる。

そういう父を観るにつけ 息子のワタシは、当初の嫌悪と憎しみの念よりも、次第に ひとつの「憐み」を強く感じるようになったのだ。


『早く 楽にしてやりたい』、尊属殺人への躊躇や罪悪感よりも増して、信じがたいとは思うが、そうしてやる事が、もはや 生ける屍となりつつある 血を分けた父への「なさけの介錯行為」だと思ったのだ。
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その【 実行 】は、付き添い看護婦の櫻井が家の手続き作業等で、我が家を留守にした 6月の よく晴れた 梅雨の狭間の日だった。

義母は「いつものように」…屋敷の奥の方で 庭師の助手とシケ込んでいるのを確認したワタシは、いつもの通り 海を観ながらボーっとしている父へ近づいた。。。


父は 軽い まどろみの中で、色んな夢を見ているようで、軽く微笑み 小さく笑い声をあげたり、さも哀し気に 顔の表情筋をゆがめたりと、聞き取れない寝言も呟いていた。
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思った。父は 過去の記憶に浸っている。いや・・・「過去の出来事」しか、もはや下半身も利かず、朽ち果てようとしつつある、今現在の残酷な事実から 解放される「救い」が無かったのだ。。。

『おとうさん』ワタシは 精一杯やさしく まどろんでいる父へ そう問いかけた。


意識を醒ました父は ワタシをまぶしげに眺め、「三喜彦か。喉が渇いた、三ツ矢サイダーを コップに入れて持ってきてくれんか」とワタシへ告げた。
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台所の冷蔵庫から 冷えたサイダーを出して コップへと注ぎ、父の元へと。

手渡す際にワタシは・・・『おとうさん、さっき清川病院から使いのヒトが来て。この液状のクスリ、心臓の機能にすごく良いのですって、味も甘くて 飲みやすいそうです。サイダーに混ぜてみますか?』

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無論・・・虚偽だ。。。ワタシが手にした「それ」は、間違っても 父のような状態の人間に使用してはいけない液体だった。

数滴「それ」入れたサイダーをグビリと音をさせながら 飲み込んだ父は、「おお サイダーがより 甘さと香りが増して美味しいな」っと無邪気に微笑んだ。


数分後、父は・・・「三喜彦、庭の《ケイトウの花》はもう咲いているか?」ワタシは答えた『ええ おとうさん、例年のように 真っ赤な花をつけて これからドンドンと花びらを大きく咲かそうとしています』
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父は「……それは本当か?? ワシには・・今ワシの目には・・・あの…ケイトウの花が、薄く黄色かかった 白色としてしか見えないのだが。これはどういうことだ!?」


夢遊病者のような父は 不可思議に焦った感じで しきりに「どうしてだ?・・・どうして・・赤い筈のケイトウが 白いのだろうか!」

車椅子で 動かぬ下半身、ジタバタと身もがきはじめた。それの反動で、車椅子の下部分に 家のなにかが触れたのだろう、車椅子の ストッパーが《外れて》・・・

父と車椅子は・・・縁側から、40cm程下の 庭へとコロンっと 転落した。

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ううぅ~~ ぜぃぜぃ っと、苦し気な父の呻く声が耳に入ったが、ワタシは聞こえてないフリをした。

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ワタシは座敷で 少年マガジンを読みふけっている《フリをした》。

《アシュラ》という連載漫画 ちょうど主人公少年が、人肉を喰らうという 凄惨な回だったのを憶えている。

『ボクも 父親の肉を喰らったのとなんら変わりない 一緒なのだな』・・・

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フト気付けば マガジンの頁をめくる指に、異常なチカラをかけていたらしいワタシ、漫画の誌面は「血だらけ」だった。。。

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やがて・・・「秘め事」が終了した 義母と若手庭師が、庭に昏倒し、息絶えている父を発見し しばし 大騒ぎとなった。。。
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 庭に さあまさにこれから!咲き誇りますよ っとばかりのケイトウの花、その毒々しいほどの深紅の赤い色 ワタシは生まれて初めて恐怖に感じた。


ワタシ三喜彦は、付き添い看護婦の 櫻井の存在が 正直「ウザったかった」
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父の死去により ご用済みで この家から居なくなればよいと思っていたが、未亡人となった義母が、万事が世事に疎い自分の補佐役として、

今度は看護婦としてではなく、我が家の屋敷そのものを管理・補佐する「執事役」として 雇用を継続したのだ。


父の「死因」に関して、このワタシに疑いを向ける者は ひとりとして居なかった。

しかし地元警察も 無能ではない。近隣に聞き込みをして、若い2度目の妻である義母の隠れた数々の淫行も、専らの相手というのが庭師であるという「事実」も、

それが案外と、地元に住む人間や地元漁師 出入りの酒屋に至るまでが、『とうにご存知』だったようで、要するに「化けの皮がすべて剥がれ落ちた」

とくに ある意味で《一番に動機がある》庭師は 幾日も厳しく事情聴取を受けたようだ。一応の「嫌疑不十分」となったものの、庭師は親方より解雇を言い渡された。

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そして、義母も 美貌の未亡人という呼称ではなく、《清楚な見てくれと異なる 案外に毒婦》そう噂され、狭い秋谷の界隈ではあったが、日中あまり堂々と外出しにくい そんな有様となった。


しかし、「もってのさいわい」の環境を創り上げたワタシのように見えるだろうが、しかしワタシは「それでも」この義母を 独り占めには出来なかったのだ。。。


義母の「次の相手」は、ワタシ三喜彦に つけられた「家庭教師の若いオトコ」だった。山内という名前の 良い大学を出ているのに 結局 就職が叶わなかった「安保闘争崩れ」の やや世の中をスネた感じの細面のやさ男だった。
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強烈も呼べる 山内へのジェラシーの念はたしかに有ったが、父殺しの悪魔であるワタシは、嫉妬よりも、『山内は どういう方法で《駆除》してやろうか?』そればかりを妄想するのが日々の日課となっていた。

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 今も忘れる事が出来ない、ワタシにとって 死刑宣告に匹敵する出来事の日・・・

中・学校から中高一貫のミッション系私学だったワタシが通う学校は、春休みが殆ど無い替わりに、夏休みの期間が大学生同様に長く設定され もう休みの期間に入っていた頃。


海抜10m 海の水面まで100歩 そうしたエリアに住むメリット、我が家から海へは 公道を使わず、庭を降りて海へと出られた。
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《三喜彦さん 海に泳ぎに出ませんこと?》珍しくも 義母の方からワタシへ放たれた誘い。

今の基準で例えるならば、機能のみっで 色気も無いに等しい濃紺の「スクール水着」でしかないが、義母がそれを召すなら、元々かなりに優れた身体のプロポーションが よりクッキリと浮かび出て、
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性欲真っ盛りのワタシには クラクラと眩暈がするほどに魅惑的に映った。もうじき三十路となるのに義母は、見ようによっては まだ二十歳前後にも充分に観えた。

事実は けっこうな「すきもの」で、義理の息子のワタシには気づかれてないと一方的に思い込み、我が家に出入りする数々のオトコどもと 肌を交わした そんな荒淫の人間であるのに、

今考えても不思議だが、義母は微塵も その美しさに いささかの減退などなかった。むしろ…けして少なくない、オトコらとの密事、秘め事により ダイヤモンド原石が磨きにより、その美しさと輝きを増すようかにもワタシには思われた。

夏の陽光を浴びながら 無邪気に泳ぎ はしゃぎもする義母はとてつもなく美しく感じた。

どうせが 今でいう、「プライベート・ビーチ」も同様、海水浴場が開かれるまでには まだ時期が有り、ダレ1人 ワタシたち二人は観ても居ない。


ワタシは、今まで夢見た 妄想の通りに、義母を押し倒し、「我がもの」とする衝動を 抑え難い、まさしく劣情の塊だったといえる。

《冷たい風が吹いて来たわ。三喜彦さん もう戻りましょう》そう義母が云ったので、我々は 急峻な坂道を屋敷へと戻り始めた。

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義母の履いていた エナメルの白いサンダルが 昨日の雨でぬかるんだ地面に滑り《あっっ!》っと義母は転びそうになった。

アタシは咄嗟に 義母へと手を伸ばし、倒れそうな体を 抱きかかえるカタチでホールドした。

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 2つの下半身はピッタリ!と密着した。顔と顔、その距離はホンの20cm程に。。。


しかし・・・嗚呼なんと【 無常 】かな。。。

義母は 屈託もなく《ありがとう》と・・・女神のように微笑み、その眼差しは、純粋に義理の息子のワタシに向けた《慈愛の視線》・・それでしかなかったのだ。。。
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そう。瞬時に ワタシの本能はそれを理解した。【 オレは…この女(ひと)にとって 性欲の対象ではないのだ・・・ 】


父以外のオトコらに抱かれる際に見せる、あの なんとも淫靡でもあり、受け身の立場である義母であるのに、《さぁ アンタが抱く欲望のすべてをアタシの肉体へ放出して構わないのよ》…哀れとも呼べる♂の蛾を引き寄せる 誘蛾灯のような妖しい「目線」・・・【 それじゃあない!! 】
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                いっそこのまま地獄に堕としてくれ…

浮かんでいるのは・・血が繋がらぬ関係、僅か十歳程度の歳の差の「息子」・・・それへと見せる、母性にあふれた【母としての在り様】でしかない。。。


無論、「その態度が」義理の関係にせよ、「母子」という事柄からするなら、まごう事無き 正しい接し方であるのは理解していた。だが・・・

・・・こんなにも長い間・・ワタシは 毎夜毎晩 身悶えしながら、この義母の肉体を 我がものにする妄想に 狂いそうになりながら「耐えたのだ」。。。

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それなのに・・・この クソ女め、こんなにも身近で 苦しみ悶えるオレの「想いを」・・・少しも気付きもしていなかった。たぶんこれからも・・・。

ワタシの心の奥に、瞬時に「反転した」暗い 妄念がブスブスと、消えたはずのコークスのように、再び 業火を発するのを蝕知した。


そして・・・庭の ケイトウの花が今を盛りに咲き開き、このワタシに向かって、《やっと 今頃気付いたのかよお前って野郎は。遅いんだよ!》っと、
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毒々しくもある ニワトリのとさかにも似た花びらを風にゆすられる姿、それがワタシへの大々的な嘲笑に思えて怒りと同時に戦慄を覚えたのだ。



 その日は…ワタシは早朝より 逗子駅から横須賀線に乗り、東京の水道橋の予備校に 夏期講座へ出かけていた。

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秋谷の自宅では・・・【 服毒心中をしたらしい 義母と山内 】その亡骸を 買い物から戻った櫻井が発見し 騒ぎとなった。

この書を読まれた方 きっと思うだろう 【今度はどうやった??】 しかし、それについての詳細な記述は あえて記さない。

想定外に、まだワタシが この世に生きているうちに この告白書を閲覧された場合への 1つの防御の策であると思ってくれて それは間違いではない。


ワタシ三喜彦は「天涯孤独の孤児」となった。寂しいとも 悲しいといった感情は無かった。

面倒といえば、家の財産は相続しても、まだ未成年であるゆえに、法的に「新たな扶養者」それが無いなら、ワタシは 孤児施設に入らねばならない。
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そこで 櫻井を名目上の 扶養者として設定し、今までと同様 屋敷を守り 管理する作業を継続することで給与を払うこととした。


正直 遺された 家にも家作にも興味など無かった。むしろ、忌まわしい記憶ばかりの この家の資産などは、馬鹿げた散財で すべて使い果たしたい気持ちだったが、

この「遺言作成」を進めた 弁護士が 我が家の資産の管財人となっており、ワタシは 月々一定の額しか 資産を遣う事は許されなかった。


大学生となり、恩師の勧めで ワタシは米国に留学することになった。

特段 米国に憧れたのではない。ワタシは・・・【 逃げたかったのだ 】。。。
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           ワタシ三喜彦は「逃亡」した。。。


天涯孤独となったワタシを 怖がらせたもの…それは 罪の意識でもなく、亡者の怨霊でもなく・・・

正直 それは・・・屋敷の庭に毎年 誇らしげに咲く、【 ケイトウの花 】それだったと 今思えるのだ。
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作だけの「花が」、ナニも言い出さないのは無論理解している。だが・・・少なくとも あの花 ケイトウは・・・


鬼畜と化したワタシの一連の行動、そして・・・性欲の妄想に狂う、ワタシ三喜彦の「すべてを」・・・つぶさに目撃した筈であるのだ。。。

留学が終了した後も、ワタシが 日本に戻らなかったのは、研究心よりも むしろ、あの【ケイトウの花】それを恐れたせいだ 告白する。


 お読みの方にお願いしたい。おそらくは この告白の書が 開陳され貴方が読んでおられるのは、ワタシ三喜彦は既に 鬼籍へ入っているものと願う。

当局に 訴え出るとかの判断は すべて貴方の判断に これを委ねます。もうワタシは罰せられるべき世界には居ない。死後の悪名など なんら興味も無い。

ただひとつ・・・この鬼畜が望むことは、遺産相続の権利者が居なくなった場合に備え、別書にて それの処理方法等に関して、自己としての意志を表明したつもりである。

可能な限り それに基づいた 整理・執行がなされることを 勝手ではあるが望む次第です。云いたい事はこれだけ。


 さぞかしや 読むことにより 不快な思いをなされたであろう事を こんなワタシではあるが、心より陳謝いたします。 それでは。

          
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「という訳です 櫻井さん。この中身がゆえに、唯一の関係者として残った櫻井さん 貴女にこれをお見せしませんとと思い 本日参上しました はい」


櫻井女史は、リクめから手渡された 新条の告白文を 眉ひとつ動かさず ジっとしたままで 読み終えた。

もう 80も近い歳だろう、しかし 微塵も老いによる か細さ 弱弱しさなど感じさせない、『鉄塊のようなオンナだ』と思わさせた。


テーブルに 静かに読み終えた書面を置いた櫻井は・・・

「・・・・・この 告白文は事実ではありません。三喜彦坊ちゃまによる【偽書】です」・・・と言い切った。
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わたいは言いました・・・

・・・櫻井さん 「偽書である」ってことについては、このボク、そして、有名興信所の元・敏腕調査員で 今はボランティア探偵をしている盟友も 同じ意見なのですよ ええ。。。

「偽善者」の反対で、「偽悪者」とでも呼ぶのか? 罪の告白に一見思えて・・この文書には《真実はこうなのだ》《我が罪の告白を信じろ》とでいいますか・・・

三喜彦氏による ある意味で《必死のゴリ押し》それが感じられて仕方が無かったのですよ ええ。。。盟友も同意見でした。
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         本条三喜彦による「苦心の創作」が感じられ…

櫻井は言い放った・・「坊ちゃまは、三喜彦さまは・・・ただの1人として 手にかけ、殺してなどはおりません!出来る人ではございません」と。


櫻井「最初の《復讐行為》あの漁師の兄弟ですが、死んでなどおりません」

リク「え?本当ですか??」

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櫻井「本当です。正直なところ、まだあの双子の姉妹と暮らしているかは不明ですが。あの兄弟の兄の方は、内臓系の疾患で、小田原市内の病院で死亡しています。住所は西湘方面でした。旧い看護婦仲間から聞いておりますから間違いございません」

リク「生きてた・・・ってか。。。」

櫻井「自分らの勝手な都合で 夜逃げと駆け落ちをしただけです あの兄弟は。そのレベルの人間を手にかける坊ちゃまではありません」

リク「なるほど・・・こうも考えられませんか櫻井さん?《このような怖ろしい真似をやってのけるガキだから、その後犯した犯罪も実際に有ってもしかりだろう》って、他人に そう思わせるための1つのレトリックであったと・・・」


櫻井「大旦那さまの死亡事故についても、三喜彦坊ちゃまは潔白です。リクさんでしたね?ワタシはね、このお屋敷に来た その日からズっと今まで、《業務日報》日記替わりでもありますが、それ点けてます、1日も欠かさず。あの日・・三喜彦さまは、朝から39度の高熱でずっと自室でふせっておられました。わざわざそんな体調の日に 父親殺しの作業など行うものでしょうか??」

リク「可能性として出来なくは無い…とも言えますが、あきらかに それは不自然ですよね」

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江戸切子に注がれた 麦茶を ぐっと飲み干した櫻井は 話をはじめました・・・


・・・なんで? 恋い焦がれた 義母である《綺音(あやね)奥様を》心中に見せかけ 殺害したという、《そのハイライト部分》それが《あえて書かない》と、省略されているか わかりますかリクさん?

それはネ・・・三喜彦さまは・・・【 見ていなかったからです 】目撃していないからフィクションとして再現不可能 だからです。

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どうして「そう」言い切れるかって? 明白です。だって・・・綺音奥様を 死に至らしめたのは【このワタシなのですから】。。。


驚きましたか?でもリクさん これは孫うことなく真実なのです ええ。。描かれていた通り、ワタシは綺音さまを愛しておりました。
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男には声すらかけられない醜女ゆえに、同性愛に転じたと思ってくださって結構ですのよ(嗤)本当に 綺音さまはお美しく、魔性の魅力をお持ちでした。

職務上の自己規律には自信が有ったワタシですが、綺音さまには そのブレーキが利きませんでした。本当に あの方の事を愛してしまったのです。

綺音さまにとっては、ワタシとの禁断の行為なんてのは、単なる 箸休めでしかないことも、ワタシと異なり 同性愛に溺れる方では無かったという事も 承知しておりました。


ワタシも 綺音さまが、単発 複数回数を問わず、陰に隠れ オトコらとの逢瀬を重ねているという事実、それについてのジェラシの概念などございませんでしたよ ええ。

とんでもない淫乱な毒婦・・そういう噂もありましたが、ワタシ櫻井としての想いは・・・正直、綺音さまは、本当の意味で あの方こそが【 菩薩では無かったのか 】と・・今でも そう思い続けているの。
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だってネ、あの 綺音さまが、肌を許したオトコらっていうのは・・・タダの一人として、今でいうイケメン?そんなのは居なかったんだから。。。

大旦那様のような障碍者にかかわらず、嫁いできたのもその気質がゆえでした。群がってくる数々のオトコらにしても・・小児麻痺履歴者、あるいは元・傷病軍人だったり、

顔に大きな傷があるって、世の中のオンナには およそ相手にもされない・・・そんな 哀しいオトコばかりで。。。

綺音さまは、己としての性欲というよりも、報われることなく、心の奥でいつも号泣している そんなオトコたちを せめても、自分の肌で癒してあげたいって・・・

そういう気持ちがより強かった・・・ワタシにしても同じだと思います・・・孤独な地獄に喘ぐ者にとっての 綺音さまは、間違いなく【菩薩】であったのだと。。。


《それをどうして殺したか?》 案外簡単です。浮気相手の一人 家庭教師だった《山内》あの畜生の おぞましい野望を無残に砕いてやる・・・その為です。
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綺音さまを渡してなるものか!って気持ちもありましたが、山内は・・・安手のドラマそのまんまに、未亡人となった 綺音さまと もちろんの事、財産目当てで正式婚姻を目論んでいたから。

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そして・・その婚姻の大きな 枷となる 長男の 三喜彦さまを、スグそばに海があるでしょう? 水難事故を装い 密かに殺人計画を練っているのを ワタシは掴んだのです。

その目論見を水泡に帰してやる・・・で、あろうことか・・狡猾な山内のクチ車に、そんな綺音さまご自身までもが・・・山内との逢瀬の行為の後の 寝物語で、共に語り出すのを聞いてしまいましたワタシは・・・

ワタシ櫻井は覚悟を決めました。鬼と化したのです ええ。。。。。

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・・・ジキタリス製剤です。犯行に使用した薬剤は。ワタシなりに、言葉巧みに 綺音さまの飲む紅茶に そのジキタリスを致死量・・落としました。

綺音さま、金魚鉢の金魚が酸欠になるかのように、飲んだ当初はなんともなく、やがて次第に 口をパクパクさせ・・・苦しみ悶えるではなく、電池切れのおもちゃのように こときれましたよ ええ。

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そうしたなら、そこへ駆け入ってきたのが 憎い 山内で。ワタシは 勝ち誇るように言ってやりましたよ♪

《これでもう アンタが企んでた野望は塵と化したんだ!死人と結婚なんか出来ないだろう ざまあみろ!》と。。。

そうしたなら・・・呆然とした山内は・・・なにを思ったか 正直判然としません。 いきなり 山内を嘲る為に ワタシが高く掲げていた ジキタリス液の瓶を奪い取り・・・

ぐい! っと・・飲み干したんです。。。ロミオとジュリエットの逆バージョンですよね(嗤)絶望でヤケになったのかも知れませんね。そう・・・あの《心中》は 実のところ《時間差》だったのです。
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え??ビックリしたかって?エエそれはもう。でもネ リクさん。ワタシも正直に告白しますが、思いもよらない山内のその行動 目の前にして・・・

不謹慎ですがワタシ・・《大笑いしちゃったんです》。なんともまあ おセンチというか、大時代的というか♪ かえって、「事後」の処理は とっても落ち着いて つつがなく出来てしまいました。


山内も、やはり 心病んでいた人間なのかも。ワタシだって同様ですが。。。病んだ人間の行動はわからないものですね。死に場所を探していたのか 山内も。。。

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「それでは 失礼いたします」 リクめは屋敷を出ました。


当たり前ですが わたいは警察でも検察でもない 単なるハマの荒くれ。

『露見した今 どうしましょうか??』ってことについて、櫻井女史ともいくらか協議を交わしたのでありますが・・・


結論として・・・【今となっては検証も不可能。当局もゼッタイ迷惑がるだろう案件】どうすればベストか?なんてのも、完全なストレンジャー 第三者であるリクにはとても決められない。
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           解けない問題に時間かけない人間でしたからネ

本条の恐るべき告白書だって、イってみりゃ 単なる「勝手な私文書」でしかないし。

『握り潰す 燃やしてしまう 無かったことにする・・ドレだって正解だと思います。あとは…櫻井さんご自身のご判断で』と告げたリクでした はい。


庭の ケイトウの花が ほころびかけていた。なるほど、見ようによっては 血の色であり、毒々しいともいえるナ。


思った、『櫻井の《告白》とても、信用するに なんか怪しい・・・》と。

 そう・・亡くなった本条だけど、本条三喜彦と あの櫻井、ふたりは期せずして《互いを庇いあっている》のだとわたいとして確信を抱いたのでした ええ。
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          歪んで屈折していようと、そこに「絆」が…

その根拠は…別紙となっていました 財産処理の遺言、それをチラ見した訳なのですがネ、

本条の意図をあきらかに感じた。。。遺された屋敷は 長年 家で世話になった恩人の櫻井へ寄贈する。しかし、手続き上として かねてより話を進めている、▲▲興産という、《建託会社》へと売却する。

櫻井には《生きている限り》そのまま 屋敷に住み続ける事が可能である。櫻井亡き後に 土地は整地化され契約した会社がなんらか利用する。

相続税等の 支払うべき税金を差し引いた額の遺産は、●●弁護士(本条に遺言作成を勧めた)を管財人として指定、櫻井には今後終生、月一定額の給与が支払われるとする。。。

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簡便に「その旨」を告げ 聞いた櫻井は、ホンの…少しだけ 鉄のオンナの態度が揺らいだのでした。ハンカチを貸そうかな?とも思ったけど、かえって それは失礼だと思いヤメた。

本条は・・・この 櫻井に、終いの住まいを確保してヤリたかったのだろうと「信じたい」。。。

元気に観えるが 櫻井女史も もう後期高齢者だろう、管理人の仕事も失くした《老婆に》・・・社会で アパート1つ 借り受けるのも昨今の時代では難しかろうしネ。。。

どういう感情かは 正直わからない。でも、その一生を 三喜彦が生まれ育った 本条の家に捧げてくれたといえる そんな櫻井女史を、野垂れ死にさせたくなかったのだろうと そう信じたい。


しかし・・・櫻井は《坊ちゃまは なにひとつ犯罪など犯していません!》と言ったが・・・

それでも思う。。。やはり… 父親である 仁左衛門の死去に関しては、「なにかしらの」・・手を下していたのではなかろうか 本条三喜彦氏は??・・・

告白書の、その部分の記述が 妙に、その場に居なければ書くのは不能かと思われるほどに、【 真に迫っているのだ 】・・・


【 ジキタリス 】・・・地中海沿岸を中心に中央アジアから北アフリカ、ヨーロッパに20種あまりが分布する。一・二年草、多年草のほか、低木もある。園芸用に数種が栽培されているが、一般にジギタリスとして薬用または観賞用に栽培されている。

古代から切り傷や打ち身に対して薬として使われていた。1776年、英国のウィリアム・ウィザリングが強心剤としての薬効を発表して以来、鬱血性心不全の特効薬としても使用されているが・・・

反対に「ジキタリス中毒症」という、このエキスには 猛毒成分が存在して、不整脈や動悸などの循環器症状、嘔気・嘔吐などの消化器症状、頭痛・眩暈などの神経症状等・・


 そして 見逃せない・・・【 視野が黄色く映る症状(黄視症) 】がある ということで。。。

>《 それは本当か?? ワシには・・今ワシの目には・・・あの…ケイトウの花が、薄く黄色かかった 白色としてしか見えないのだが。これはどういうことだ!?》

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真っ赤な色で咲き誇る ケイトウの花びらを、一時的黄視症に陥った 仁左衛門がそれを視るなら・・・『赤+黄=薄い黄色 もしくは白』に見えるという 絵具での 色配合でのイロハ・・・。


そして・・《 おお サイダーがより 甘さと香りが増して美味しいな 》 ジキタリス液は、かき氷のシロップに ひけをとらないぐらいに「甘いのです」
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そして強力に 果実香も有しています。欧州の中世で このジキタリスの 甘味と香りゆえに発生する死亡事故が多発し、それにて取り締まりが行われるようにもなったと言われています。

100数十年前以前の欧州では、「毒殺アイテム」の筆頭だったとも。


ぶっちゃけ・・・【 あまりに表現がリアルではないだろうか??・・・ 】

空想のフィクションであるとも思えない…「その場に居合わせたからこそ」その リアリティーが有るとは呼べないだろうか??・・・

今となっては検証の価値も無いだろうけど、昭和の30年代頃? 本条家の あの庭の花壇の一角に、観賞用 ジキタリスが植えられていたとしても、本条家ならばダレも疑念など抱かないと思える。

後に ノーベル賞予備軍の科学者となった 本条だもの、咲いたジキタリスの花から 毒薬を抽出するぐらい、朝飯前に可能だったとはいえないか??・・・


 だけども。。。もうヤメよう・・・これ以上の詮索はネ。わたいは警察でも検察官でもない。
            170613hh1.jpg
        もうこれ以上、死んだ本条にフリ回されたくない…

もう あの本条三喜彦による 恐るべき告白書、それのバトンは あの 櫻井女史へ完全に渡したのだからネ。無責任かな?? でも【どうにかなるでショ♪】

今後の このリクめの課題は、【この《記憶》を1秒でも早く、脳内の 海馬界から消去することだ】・・・忘れて上げましょう それが本条への「供養」だ。


・・しかし、それにつけても『想う』のだ。。。本当は…たとえそれが疑似的にせよ、『家族が居る食卓』それを 誰より渇望していたのは ジツのところ「三喜彦」だったのでなかろうか??
            170613hh2.jpg

実母はもちろん、父親も 付き添い看護婦の櫻井も、奇矯なる双子の娼婦姉妹の事も、あの 三喜彦という、孤独なるココロを持ち続けた少年にとって かれらの存在は、

【替え難き 大切な《家族》】それであったのではなかろうか? だからこそ…それを奪い去る者、裏切る者それを殊更に憎んだのでは?


 夏の青い海を見下ろす庭に 風にそよぎ 今から盛りとなるでしょう ケイトウの花が、とさかに 深紅の色を誇らしげに立っていました。

三喜彦が あのケイトウが怖かったという告白書での表現、アレにもウソはないかも。だけど真相はわからない・・・迷宮なんだ。

暴きたてない方が良い迷宮。だって、ヒトのココロこそが《迷宮》そのものなのだからネ。

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 ・・・すべては あの ケイトウだけが知っているんだネ・・・

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     それにしても…綺音夫人は聖女だったのか?悪女なのか??


そうリクめは呟き、ハマの港へと戻るべく、もう2度とは訪れないだろう、南葉山 秋谷の屋敷を後にしたのでした はい。

        170613hh5.jpg


        《 完 》


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思ったのは

「これは頭がフルに回転できる人じゃないと書けない」って思いましたね。
生前に犯した懺悔のように思えて、数々のフェイクやら、イメージの誘導がある告白の書。。。
ある意味では 一番たちが悪いですよね(笑)

それでも 根底に流れている動機は、疑似家族同士の 絆だったのかもってことに、安堵とある種の感慨を抱いています。

本条という1つの

 本条という人は、自分が死んだ後で リクさんというワンクッションを置くことで、遺した告白書の真実度合いをより増そうと試みたのですよね。
その点 巧妙な 知能犯だと読んで思いました。

でも、早熟であり かつ とても不幸な人生送った人ですね 本条は。
自分自身の異形さを だれよりも自分自身で理解 把握していたのが、なんだかとてつもなく孤独であり、過酷な精神性だったのでしょうね。。。

大事なのは「撤退のポイント」

推理ものというよりも、1つの「ハードボイルド読み物」と感じましたね。

「死者の告白文」に 生きて読んでいる者たちが振り回されるというユニークでもある設定。
生き残った事件関係者の言葉も かならずしもアテには出来ないという、がんじがらめの不条理さも。
港のリクの聡明さ うまいところでバトンを 手離しましたよね♪ 深入り過ぎは 死者の思う壺でしかありません。

今後 街の花屋とかで 鶏頭の花を見たなら、このお話を思い出すような気がしています。

伏線がフクザツ過ぎます(^^;

あたまがバクハツしそうになって(笑)ついて行くのが やっとこ!でしたわ本当にv-8

なにが本当で どれが虚偽なのか 判然としない 迷宮ですね。

本条という人は、きっと リク様を巻き込んで、告白の書を委託する そのことで、利用し 託すのと同時に、『もしかしてコイツならば、からくりを見破れるかも知れない』って。。。
1つの 挑戦状をリク様に突き付けたような気がします。
その意味では、静かながらも とっても緊迫した秀才同士の火花が散りそうな戦いでしたわネv-218

No title

 いつかの夏場に 海水浴で行きました葉山は、相模湾の海が開けて どこか 日本ではない外国のビーチのような(外国知りませんがw)雰囲気を味わったのですが、
今回の舞台は どこか湿った 日本的な歴史と事件が繰り広げられましたね。

頓珍漢な意見かも知れませんが 自分は 新条も 櫻井も、両人ともに 嘘を・・・本当の真実は述べてないように感じます。
もっと奥の方に 隠された秘密がころがっている気がしてならない。。。

どこか陰湿で危ない 案件だったよね

 告白書は あれはあきらかに「虚偽の産物」だよ うん。

真実から 読み手を、自らで絵を描いた方向に巧妙に誘導する気配がアリアリだったからねぇ。

JJさんの「読み」はなっかなかに鋭い!って思うよ。
本条氏は リクさんに委託するする気持ちよりも、
『お前にこの文書の真偽が解けるか』って、きっと今頃は 彼岸の向こう側で せせら笑ている気がして 正直ゾっとするよね。

ドラマや映画と違い、探偵はこういった案件は まず「受けない」
どこに地雷や命をとられかねない罠が張り巡らされているかもわかんもんねぇ。。。

昭和の風が吹いていた

まだ お若い世代の方にはピンとこないとも思うのですがね。

小生のように おそらくはリクさんよりも、今回の主人公(?)本条の方に年齢が近い者としては、
記憶としての原風景に近い、「過ぎ去りし昭和の時代」ピエロさんも前スレでコメントされておられましたが、
経験してないと語れない、時代の空気感めいたものを 今回いくつも 感じ取りました。

思えば 裕福な家に生まれ育っても、報われることもない、孤独でどこか病的な考えを持つ 天才でしたね 本条は。

本条には 身体ハンデ(失礼)もモノとはせずに、いかにも精力的に動き回る 港のリクが眩しく、そして妬ましかったのかもね。。。
貧しくとも、小生が育ったような いつもやかましい大家族の中に育っていたなら…
その頭脳と才能は ポジティブな方向に開花したでしょうに。 その意味では いかにも不憫であり かつ残念です。。。

イタリア映画の「青い…」的展開か⁈なんて、お気楽に考えてたら、ピエロさんのおっしゃる通り、横溝的なお話しでしたね。

お屋敷の住み込みのお手伝いさんが、働けなくなってもその屋敷で一生暮らす。という例はあった様で。

本条氏の覗きや妄想は、そんなに変態的だったのか?
否、ごく普通の男子の反応だと思う。
本当におかしくなったのは、義母に母の眼差しを見つけた時でしょうね。

屋敷の一部始終を見ていたのは、本当にケイトウだけだったのか?

知ってる場所がちらっと出て来ました。
身近な所で意外な事が起きてますね。

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後篇ラスト付近を読んでた時に

 偶然ですが、聴いていたAMラジオの番組から、
映画音楽の特集の回で、最初に「太陽がいっぱい」のテーマ曲 次に「ゴッドファーザーのテーマ」が流れてきて。

2曲とも 哀愁を帯びたそのメロディーラインを聴きながら 今回のミステリーを読み進めるにつれ、

どうしてだか? 涙が出てきて止まらなくなりました。。。

おぞましくて、淫靡な部分も多い 今回ですが、でも その根っことなるのは やはり、「家族」そして「愛情」それだったのかもと。
行った経験もない 湘南(でしたっけ?)の葉山ですが、きれいに開けた 海岸線を よく晴れた太陽の下で、ケイトウの花と見下ろしながら、
三喜彦という その家で生まれ育った人間が、救われようのない孤独な心を持ち続けたことに 痛みを覚えました。
犯罪者の告白というよりも、せめても「その本音を」 リクさんという第三者に知って欲しかった・・・
ミキ穂子という人の 心の叫びが聞こえてくるような気がしました。。。

Re: 大黒の住人(♀)さんへ

 大黒の住人(♀)さん いつもありがとうございます♪

> 「これは頭がフルに回転できる人じゃないと書けない」

いえいえ(^^; こげなル アホアホでも書けるって イイ証拠でおますだヨ いひいひ♪

> 生前に犯した懺悔のように思えて、数々のフェイクやら、イメージの誘導がある告白の書。。。
> ある意味では 一番たちが悪いですよね(笑)

ホントホント! ぶっちゃけ あたしゃ 『とんだイイ迷惑』だったお(笑)
物好きだとは自認しますが あたしゃ 一心太助ぢゃにゃい!
トモダチがゼンゼン居ない人間も困るよネ~~(><)

> それでも 根底に流れている動機は、疑似家族同士の 絆だったのかもってことに、安堵とある種の感慨を抱いています。

ま・・それが感じられるので『しょ~がねえか』って、動く気にもなりましたが ええ。

Re: トラ子ちゃまへ

>  本条という人は、自分が死んだ後で リクさんというワンクッションを置くことで、遺した告白書の真実度合いをより増そうと試みたのですよね。
> その点 巧妙な 知能犯だと読んで思いました。

おお さすがに 鋭い「読み」してはりますナ キミ♪
「秘密 禁断の告白」ってのは、死蔵されてては 意味をなさない、効力を発揮しないのネ。
ある程度 第三者や世間に開陳されてかないと、それの認知と評価が加えられないから。
わたいってゆ~第三者をちゃっかり利用しやがったって点では 本条は「たいした悪党」だって思うのネ うむううむ。

> でも、早熟であり かつ とても不幸な人生送った人ですね 本条は。
> 自分自身の異形さを だれよりも自分自身で理解 把握していたのが、なんだかとてつもなく孤独であり、過酷な精神性だったのでしょうね。。。

だけんども、ぶっちゃけ ビンボな人間の代表とも呼べる(^^; リクめとするならばだ・・・
こ~ゆ~のって やっぱ…太宰の「斜陽」を読む気分ってゆ~か、『カネ持ちらが勝手な泣き言並べてやがらぁ』って気分になるよね。。。
でも 貧しい家に生まれたってことを くやむ気持ちそれはナイのだお♪わたいには「家族」居てましたから はい♪

Re: サンシャインさんへ

 サンシャインさん いつもありがとうございます♪

> 生き残った事件関係者の言葉も かならずしもアテには出来ないという、がんじがらめの不条理さも。
> うまいところでバトンを 手離しましたよね♪ 深入り過ぎは 死者の思う壺でしかありません。

本音を明かさない相手にフリ回されるのは ぶっちゃけ「懲り懲り」ですわなぁ。。。
ましてや本条自身は 手の届かない「絶対的安全地帯」へとトンズラしやがったンでっからタチわるい(笑)
わたいが『知らねぇヨ!あとは勝手にしなっ!』って、手を離したのもそれでして・・・
A・クリスティの「そして誰もいなくなった」のような、死者にすべてのカギを操られるのはマッピラ!ですから はい。

> 今後 街の花屋とかで 鶏頭の花を見たなら、このお話を思い出すような気がしています。

でも 忘れてやってネ? 追求しようにも どもならん過去の案件ですものネ。。。

Re: JJさまへ

> あたまがバクハツしそうになって(笑)ついて行くのが やっとこ

あんさん 優秀なんだから チったぁ 日々の学習お続けなさいヨって(^^;

> 本条という人は、きっと リク様を巻き込んで、告白の書を委託する そのことで、利用し 託すのと同時に、『もしかしてコイツならば、からくりを見破れるかも知れない』って。。。
> 1つの 挑戦状をリク様に突き付けたような気がします。

でも おそらくは本条『こんなバカに オレの仕掛けのウラは読み取れんだろ』って、せせら嗤ってたのだろうネ。
だけんど 八百政って盟友がワシには ついてるってこと判りもせんかったのが まず本条の「失敗」。。。
で、ワシが 善人とも言い切れない、むしろ悪党の行動論理を より理解する人間だってのを チトばっか甘く観てたのかも本条はサ。

Re: タキさんへ

タキさん いつもありがとうございます♪

> 今回の舞台は どこか湿った 日本的な歴史と事件が繰り広げられましたね。

はい いかにものリゾート感あふれる 葉山近辺の風景に反した、陰湿で猟奇に満ちた いかにも日本的な、全体のトーンでした はい。


> 頓珍漢な意見かも知れませんが 自分は 新条も 櫻井も、両人ともに 嘘を・・・本当の真実は述べてないように感じます。
> もっと奥の方に 隠された秘密がころがっている気がしてならない。。。

その読みは深いです本当に。
ぶっちゃけ「連中は」ナニひとつ ココロの真実を 洗いざらいにまでは吐き出していない、あくまで「小出し」
それにより、いっちゃん隠しておきたい「なにかを」もっともっと奥の彼方へ 押し込んでしまおうと狙ってたと。。。

タキさんのように 純粋であり 正義漢のヒトが かれらの意図を明確に読み取れるのかも知れませんネ。
アレコレと隠ぺいを画策したがる人間は、その手法の よりフクザツさが裏目となり、
思わぬ 馬脚をあらわしてしまうモノなんだって思います ええ。

Re: 八百政どんへ

>  告白書は あれはあきらかに「虚偽の産物」だよ うん。

 殊 今回はキミからのアドバイスや意見が役に立ちました あんがとねぃ♪

『リクさん このトーンに巻き込まれたら それ《負け》だゼ』って意見で ぶっちゃけ ワシは目が覚めた。。。

やっぱ興信所に居たのは ダテやあらへんわナ♪
『いいかい?ヒトがあきらかなる嘘をつくそれの背景には、《ナニかを隠したいって意志が隠されてるのだから》』って名言。
思えば 探偵のお仕事なんてのも、こういった目にはよく観えない 暗闘が繰り返されているのだとナ。
完全なウソつきってより、兎角 人間はハナシ「盛る」からネ~~ うむうむ。。。

Re: 長生きの秘訣さんへ

 長生きの秘訣さん いつもありがとうございます♪

> 記憶としての原風景に近い、「過ぎ去りし昭和の時代」ピエロさんも前スレでコメントされておられましたが、
> 経験してないと語れない、時代の空気感めいたものを 今回いくつも 感じ取りました。

露出の量とかではなくて、「昭和の時代」ってのはどこか、時代の流れそのものがエロチックでもあったのだろうって、
あれに描かれた時代の空気をよくは判りませんわたいとしては そう思うのでして ええ。
今の平成の電台はむしろ、性的なリビドーを感じ取れなくなってきてはいますまいか??
本条が 毎夜 身悶えするっていった ああいった感覚は、今の若者にはピンとこない感覚だともいえるのかも。


> 思えば 裕福な家に生まれ育っても、報われることもない、孤独でどこか病的な考えを持つ 天才でしたね 本条は。
> 本条には 港のリクが妬ましかったのかもね。

今更の 蒸し返しではありませんが、わたいは本条には むしろ「嫌われていた」のかもって気が。。。

わたいは 意外に(?)ネガティブな発想が基軸な人間でもあり、
元気に 明るそうに見せて居るのは ヤケクソの反転と、周囲への配慮なわけで。

本条は そこんところを見破っていたのかも。『少なくともオレはオメエを見破ってるゼ』って。。。

> 貧しくとも、小生が育ったような いつもやかましい大家族の中に育っていたなら…
> その頭脳と才能は ポジティブな方向に開花したでしょうに

まさしくその通りです ええ。
やはりヒトにとっての 人格形成はイコールで「家族環境」だと申せましょう。
ごく幼少の頃から 本音を押し殺し 暗い鬱々とした想いを抱きながら それを隠し通す人格になった本条は、
ある意味で 環境の犠牲者でもあると。。。

Re: アツシさんへ

 アツシさん いつもありがとうございます♪

> イタリア映画の「青い…」的展開か⁈なんて、お気楽に考えてたら、ピエロさんのおっしゃる通り、横溝的なお話しでしたね。

ふむふむ。。横溝作品的にゆ~なら どのあたりですかねぇ??本陣札事件や 八墓村 ほどのテイストとは違いますよね(^^;
「三つ首塔」とか「夜の黒豹」「幽霊男」って、ドライタッチでエロさもある それに該当するのかしらん?・

> 本条氏の覗きや妄想は、そんなに変態的だったのか?
> 否、ごく普通の男子の反応だと思う。

そうそう ぶっちゃけ、わたい自身もそう思ったのですよん はい。
殊 スケベさでは凡人には負けない自信があるこのわたいが云うンだから間違いないっ!(笑)(^^;
動機と発想が正直 陰湿に満ちては居るけど 『???この程度 持ってて当然とチャウか?』って 告白書読んで 幾度も無言でツッコミ入れました はい。

> 本当におかしくなったのは、義母に母の眼差しを見つけた時でしょうね。

「空回りしていた自分に気付く」それが本条にとって なによりもの屈辱と恥辱だったのでしょうね。
オノレとしての性欲を解放できず 潰された 哀れな人間なんだよねえ うむうむ。。。

> 屋敷の一部始終を見ていたのは、本当にケイトウだけだったのか?

さすがは アツシさん♪ このレトリックに お気づきになりましたネっ♪

あの《ケイトウの花》は、今回 欲情の念と罪悪感のシンボルであるのと同時に、
ぶっちゃけ ドコまでの部分、ダレのナンの告白を信用してよいかも不明なままの
《迷宮を意味するシンボル》でもアルのでございまして はい。
アツシさんは 推理小説 書けますヨ 今度見せて! いひいひ♪

Re: 鍵コメさまへ

 鍵コメさん コメントありがとうございます♪

かならずしも アナタ向けにしたためたとも申せませんが、
でも なんかしらの創作活動のコヤシとなるならば、書き手として これ以上の光栄はございません。

鍵コメさん ボクちんはネ、 米国の作家 パトリシア・ハイスミス(Patricia Highsmith)1995年に没した その女流作家がスキでありましてネ。

すぐれた ピカレスク・推理物を得意としていましたが、世の中的に いっちゃん著名なのは アラン・ドロン主演の名画「太陽がいっぱい」それの 原作となった小説
 "The Talented Mr. Ripley"その作者でして はい。

P・ハイスミスの他を寄せ付けない 素晴らしい表現なんですけど、
この「太陽がいっぱい」の中で、主人公の若き悪党の リプリーが、アメリカ人大富豪のドラ息子、フィリップと知り合う。
このフィリップを うまいこと イテコマシて(笑)ひと儲けを企むリプリーなのですが、
そのリプリーの本性に気付かず スッカリとリプリーを 善意あふれる好青年だとカン違いした フィリップの両親から手紙が届く。

その手紙と 添えられた花束には、『どうか!うちの息子を守ってください!そして無事に息子をアメリカに送り届けてくださいますよう、アナタに心底よりお願いいたしたいのです』と・・
ドラ息子を真剣に想う 両親の気持ちが込められているをリプリーは見る。

でも だからって、フィリップをカモにしてやろうって気持ちには揺らぎはないリプリーなんですネ。

しかしでス・・その…愛情あふれる両親の手紙を 最初はせせら嗤って読むリプリーですが、
読み終わった後 リプリーは・・・《両手で顔を覆って しばし彼は  泣いた けっして短くは無い時間の秒数》。。。

ココの部分にこそ!悪党リプリー かれの育ってきた環境と、ココロの奥の「ホントの心音」そしてイチバン、かれがなにを?欲していたか? それが饒舌に表現されるのですよ。

こういう 描き方の手法は、なっかなかオトコには思いつかない、女流作家ゆえの 思考法に基づかれているのだと ナマイキでっけどわたいは思う。

性別がどうだろうとも、実際にリアルにしてエグい経験などの有無にかかわらず、人間には「独自の視点での想像力と表現方法」という
強い強い! ウェポンがアルのですよん♪ サラナマイキながら(^^; アナタには それを養い 研ぎ澄ませるチカラがあると 「信じます」♪
時流を 手本としても、それに流され過ぎず、独自のスタイルを構築されますことを ココロから期待いたしております はい♪

Re: ちゃー子さんへ

 ちゃー子さん いつもありがとうございます♪

正直 落涙しえくださるほどの価値もナイ 駄作でございますルが(^^; 光栄至極です ありがとう♪

ふむふむ なっかなか ハマるかも知れませんネ、太陽がいっぱいの ニニ・ロッソのあの有名なテーマ曲も。
ただ あの小説&映画での 主人公の悪党リプリーの動機は「貧しさよりも逃亡」だったのですが、
本条もネ~~・・リクめのように、ガキの時分から バイトでもして小遣い稼がないとナンも買えないや!ってナ環境で育っていたなら、
もっと違う人間として生きられたって そう思うのですが。金持ち層の実感は、リクめにはイマイチ 理解が出来ないところが有りますのは確かで。

やっぱ「ひがみ」なのかなあ?。。。リクめにはネ、どうしても 本条のことを「是としたくない ひっかかり」が拭えませんで・・・
たぶん かれは「愛されたかった」のだと思う・・でもさぁ・・
愛されたければ「もっと!」テメエの方から、アナタが好きだ!って その意志を 積極的にあきらかにしてかないとダメやろ??

本音を隠し通し モノ云わぬ自分を相手が理解してくれヤってのは、ぶっちゃけ「あまりにも身勝手」だもん。
本条は いかにも地道であり 善人だとわかる人間でしたが、ココロの底では コミュニケ障害者だったかも知れないよネ。
こういった「手数のかかる 面倒くさいヤツ」は なんだかやたらに増えてきているって気がしてなりません はい。。。

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Re: 鍵コメ2さまへ

はいはい♪ 事情は把握いたしまスた。

次作で チトだけナマイキながら レクチャー申し上げましょ~。

 (出来は期待すんなよナ いひいひ♪)(^^;
プロフィール

港のリク

Author:港のリク
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港で働く ジツはとっても気の荒い(?)アンちゃん・・・ですが、産まれついてのホルモン分解異常の関係で♂なのにEカップの胸の持ち主 という混沌としているわたしです。

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